【きもつき情報局】国家戦略の視点から考える肝付町の再生

日本貿易振興機構(JETRO=ジェトロ)の「貿易アドバイザー」試験合格後、「貿易アドバイザー・国際マーケテイング試験」の出題委員長を長年務めていた関係で、ジェトロ主催の講演会や講習会の案内がばしば手元に届く。
先日も「ジェトロ世界貿易投資報告」2012年版~企業、人もグローバル化へ~の説明会(9月4日)への案内が来たので参加した。この報告の内容は肝付町のIT情報化、グローバル化戦略の観点からも参考になると思われるので以下ご紹介したい。
特に「中小企業の海外展開とグローバル人材の確保・育成」と「ジェトロの重点分野と取組」の内容は肝付町の将来戦略を策定するのにも役立つのではないかと思われる。せいぜい活用いただきたい。
1.ジェトロの調査によれば、「中小企業の71.4%」が今後(3年程度)の方針として「海外進出を加速させたい」と考えている。「海外需要の増大が最大の進出要因だ」という。
「中国」については、これまでの「輸出拠点」から「製品の販売市場」としての戦略を強化する企業が多い。 これらの中小企業は同時に「国内での活動も強化する」戦略を進めている。「国内での生産や研究開発」が海外で成長していく上での「基盤」であり、かつ「ものづくり技術の源泉」ととらえているのである。
2.このほど日本政府が発表した「国家再生戦略」の重点分野は、「環境、エネルギー、食と農業、健康、医療、教育など」である。この方針にのっとり、ジェトロは特に、「農林水産、食品分野」の取り組みを強化する。
少子高齢化で、国内市場が縮小する中、世界的な日本食ブームが広がっており、かかる観点から、政府は「2020年までに輸出額を1兆円にする」方針を打ち出した。(2011年12月「日本再生の基本戦略」)。
これに呼応し、ジェトロは2012年1月、「農林水産物・食品輸出促進本部」を発足させ、海外市場開拓支援を本格化し、農林水産物・食品に特化した「輸出相談窓口」を設置。情報提供、相談体制の強化、企業発掘などの一貫支援策を打ち出した。

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内閣官房国家戦略室から出されている単行本
3.ジェトロは特に「日本酒・焼酎」、「日本茶」、「水産品・水産加工品」、「畜産品(肉・酪農品)」、「米」、「果実・野菜」の6品目を「輸出支援重点品目」に指定。2012年中に10以上の海外見本市への出品、海外バイヤー200人以上を招聘する戦略を打ち出した。
現地情報の提供や商談サポートを無料で行うコーデイネーターを24名に増員。特に「日本酒・焼酎」、「日本茶」、「水産品・水産加工品」については国内外で商談会を実施し、大規模な売り込みを図る。中国、台湾、東南アジア、欧米を重点的に狙う。
以上の戦略に鑑み、肝付町においても、直ちにジェトロ鹿児島にコンタクトすると同時に、東京ジェトロとの相談にはジェトロ貿易アドバイザーをしていた私も全面的に協力したい。「きもつき情報局」でも町内の情報ネットワークを大いに活用し、上記情報を周知、徹底し、ジェトロを活用した肝付町産品の海外向け売り込みに尽力願いたいものである。
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地域の農業を支える肝属平野

中川十郎(なかがわ じゅうろう)
1935年、肝付町出身。1959年、東京外国語大学外国語学部イタリア語学科卒業後、ニチメン(現双日)に入社。長年にわたる海外勤務の後、大学教授に転身し、愛知学院大学商学部や東京経済大学などで教鞭をとる。その一方で、日本ビジネス・インテリジェンス協会を設立し、会長を務める。

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