【きもつき情報局】世界で動き出している未来の「植物工場」

10月13日、中国全域の大学で「植物工場」を研究している大学教授30名が訪日し、千葉大学で環境健康フィールド科学センター、NPO植物工場研究会、国際教育交流コンソーシアム、株式会社みらい、アジア現代経済研究所、農林水産省、大阪府立大学、日本科学技術協会、日本ビジネスインテリジェンス協会、中国農業エンジニアリング学会関係者が参加し、熱心で有意義な国際会議が千葉大学で開催された。
私は日本科学技術協会副理事長を首都大学東京の教授とともに引き受けているところにより、この会議に参加し、冒頭挨拶をした。
「植物工場」という名前は聞いていたが、その研究と実践が世界的に盛んであることを初めて認識した。植物工場は日本のみならず中国など発展途上国でも動き始めているが、特に歴史的にオランダが先行しているとのことであった。
日本ではNPO法人「植物工場研究会」(理事長・古在豊樹・千葉大学名誉教授)が設立され、82企業が参加し、毎月1回の研究会を意欲的に行っている。13日の会議の発表で特に興味をそそったのは、株式会社みらい(嶋村茂治社長)がすでに日本の10の都道府県に設置した14の植物工場で野菜を生産し、販売していることであった。
またある有名イタリア・レストランではレストランの裏に植物工場を設置し、新鮮なレタスを中心とする野菜をその場で料理しているとのことであった。この会社にはすでに中国はじめ、各国から問い合わせが殺到し、商社を経由し商談中で、有望な日本からの輸出案件として取り組んでいる。
一方、木更津工業高等専門学校情報工学科・栗本育三郎教授が農林水産省の支援を得て開発した植物工場での小型ロボットは実用化寸前で、中国からの参加者が強い関心を示した。このロボットが実用化されると将来「植物工場」に革命をもたらすのは間違いないだろう。
植物工場では土地は必要でなく、水耕栽培を何層にも重ね(最近は15層までの栽培も実験されている)、昼夜を分かたず栽培できる画期的な栽培法で、とくに中近東や砂漠の多いアフリカやモンゴル、南米などでも植物栽培の可能性が広がる。
現在70億人の地球人口が2050年には90億人に達し、食料不足が懸念される中、「植物工場」は日本から提供される先端技術となる。また貴重な薬草やハーブなども原産地の温度や圧力で「植物工場」で栽培ができる可能性もある。
私が2010年9月訪問した中国の西安近郊の広大な楊凌近代農場では、「植物工場」で漢方の原料の薬草を試験栽培していた。今後、「植物工場」が本格的に動き出せば、世界の農業に革命を起こすだろう。
「植物工場」では清潔で安全な作物を生産できるという。台風、暴風、雨不足、害虫の心配のない「植物工場」の電力源は太陽光や、風力発電でまかない、ロボットで作業する「先端植物工場」の実現も夢ではないと、この国際会議に参加して実感した。
【編集部付記:以下で「植物工場」に関する参考記事を挙げておきます。】

中川十郎(なかがわ じゅうろう)
1935年、肝付町出身。1959年、東京外国語大学外国語学部イタリア語学科卒業後、ニチメン(現双日)に入社。長年にわたる海外勤務の後、大学教授に転身し、愛知学院大学商学部や東京経済大学などで教鞭をとる。その一方で、日本ビジネス・インテリジェンス協会を設立し、会長を務める。

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