良質な環境で育つ隠れ里のたけのこ

山あいに広がる田園風景と清流から注がれる清らかな水。ここは、どことなく隠れ里を思わせる肝付町姫門(ひめかど)地区です。また比較的標高が高く、町の中心部より4度ほど平均気温が低い地域でもあります。

今回は、そんな山里で育ったたけのこをふるさと納税の返礼品として登録している木村實馬さん・より子さん夫妻を紹介します。

2人がタケノコ生産を始めたのはおよそ13年前。手つかずの放置林を整備し、たけのこ生産につなげるためのセミナーを受講したことがきっかけです。

夫妻は自宅近くの竹林をたけのこ生産の拠点に決め、姫門ちくりん広場と命名。間伐や土壌改良を続け、今では最盛期の3月中旬よりも早い時期に収穫する早掘りたけのこを出荷できるようになりました。

特に土壌づくりにこだわっていて、定期的に20アールの竹林に牛糞などの堆肥を散布しています。長年の積み重ねのおかげか地面はふかふかで、絨毯の上を歩いているような心地よさがあります。これがたけのこの生育を促進する秘訣なのだとご主人が教えてくれました。

収穫は午前中に行われます。地表の割れ目などを頼りに土中に潜むたけのこを探り、そこに専用の鍬を入れ、慎重に掘り進めていきます。

しばらく作業を続けると黄金色のたけのこが姿を現します。それを地下茎から切り離し、土をきれいに落としたら段ボールに梱包。そんな一連の仕上げ作業は、より子さんの担当です。このように丁寧に収穫された岸良のたけのこが全国に発送されるのです。

木村さんは「たけのこ作りの実例をあげることで、竹林所有者のたけのこ生産への参加促進に繋がると嬉しいですね」と話し、「豊かな自然の中で育まれた早掘りたけのこをぜひ味わってください」とPRします。

清流沿いに広がる里山の竹林。少しだけ肌寒く感じることもあるこの時期に姫門のたけのこが今年も春の訪れを告げています。

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