岸良のテコテンドン / Tekoten-don in Kishira

岸良エリアの伝統行事。
例年正月2日に平田神社を出発して北岳(テコテン山)に登り、山頂の北嶽神社の祭神「熊野権現」を平田神社へ招き、地域の無病息災・悪霊祓いを祈願します。
南九州に伝わる「柴祭り」の一種で、「柴(しば)」に神霊をうつすことが特徴です。

見学は自由ですが、行事の妨げにならないようご配慮ください。

目 次
▶ 起源と由来
▶ 朝8時、出発
▶ 途中の巨岩
▶ 山頂での神事と巨岩
▶ 下山の神歌とテコテン柴
▶ 平田神社での還幸帰山祭と解散
▶ 基本情報



起源と由来

「テコテンドンが終わるまでは火を焚いてはならない」
くわしい起源は不明ですが、昔はこう言われるほど大切にされてきた、一年の仕事始め・生活初めの神事でもあります。

山頂の北嶽神社には、50年目ごとに1個追加される石が、少し大きめの親石とは別に10個あります。
このことから、テコテンドンは500年ほどの歴史があると思われます。

名称の語源は定かではありませんが、下山の際に鳴らす太鼓の音が「テコテン、テコテン」と聞こえるからではないかという説があります。
またその昔、第12代景行天皇が北岳に山籠したという伝説にちなみ、「景行天皇」→「ケコテン」→「テコテン」となまったのだとも言われています。

この「テコテン」に、鹿児島の方言での敬称「~ドン」をつけたのではないでしょうか。


朝8時、出発

朝8時頃、平田神社に関係者が集合し北岳へ出発します。
神社の横から林道へ入り、岩をつたって川をわたり、道なき山道をずんずん登ると、20分ほどで再び林道に出ます。

林道沿いに北岳山頂への入口があるので、そこから再び山へ入り斜面を登ります。



途中の巨岩

山頂までの中間地点に、斜面から突き出た巨岩があります。
岩によじ登ると、生い茂る木々の向こうに、岸良中心部と岸良海岸を見ることができます。


山頂での神事と巨岩

山頂の巨岩の足元に、北嶽神社の小さなお社があります。
お社は2017年のテコテンドンの際に新調されました。
ここに、前述の石がおさめられています。

山頂ではまず、北嶽神社のご神体でもあるこれらの石をきよめます。
参拝者代表が一体ずつ拭ききよめ、神衣を新しいものに着せ替えます。

次に「神籬(ひもろぎ)」を組みます。
道中で集めた榊の枝を束ね、白い産着に赤の衣と帯を着せ、人形の形に整えます。
できあがった神籬をお社の前に寝かせたら、参拝者全員でその場に並び、祭神を神籬にうつす神事を行ないます。

ここまで終えたら昼食をとり、下山します。
山頂での昼食は、焚火をおこして各自持参した餅を焼いて食べるのが慣例です。

お社のすぐ後ろには巨岩があります。
この巨岩の上は見晴らしがよく、天気が良ければ種子島も見えます。
登る際はじゅうぶんご注意ください。



下山の神歌とテコテン桜

神籬を抱いた参拝者代表を先頭に、登ってきた道を戻ります。

その途中、中岳神社(岩室)にお参りします。
特に祠などがあるわけではありませんが、ここにお参りする習わしがあります。
その後、神籬の枝1本1本に、参加者の手で紙垂をくくりつけます。

そしてここからは、太鼓の音と「露払い」の神歌に合わせて、全員で「テコテン柴(馬酔木・アセビ)」を振りながら平田神社を目指します。


平田神社での還幸帰山祭と解散

平田神社に帰り着くと、鳥居の前で宮司が出迎えます。
「神籬」を渡し、今度は宮司を先頭に平田神社の拝殿を左回りに3回、右回りに3回、神歌を歌いながら回ります。

拝殿に全員入り、神籬に宿っている祭神を山へ帰す「還幸帰山祭」をおこないます。
北岳側の窓を開け放って神籬を窓辺に置き、一同で二例に拍手一礼をすると、祭神は山へ飛んで帰るそうです。
その昔、近隣の加茂神社で行なっていた「苦行渡し」も、今はこの場で行なっています。

依り代としての役目を果たした神籬の枝は、一年間の除厄幸運のお守りとして参拝者に配られます。


基本情報

名  称 岸良のテコテンドン(きしらのてこてんどん)
日  程 例年1月2日
会  場 集合、解散:平田神社 〒893-1511 鹿児島県肝属郡肝付町岸良652−7
関連スポット 平田神社 / Hirata Jinja