「心の健康づくり講演会in肝付」が3月14日、肝付町文化センターで開催されました。
3月が自殺対策強化月間であることから肝付町健康増進課主催で開かれた同会では、シニア産業カウンセラーとして、肝付町を含む県内各自治体でのメンタルケアや自殺防止の取り組みなどを行っているNPO法人こころ機構代表の鵜戸俊博さんが「あなたの一声が命を救う」と題して講演しました。
講演の冒頭で、鵜戸さんは自殺の原因としてうつ病が非常に多いことを挙げ、「覚悟の自殺ではなく、衝動的にしてしまうことがほとんどです。心配をかけないように家族の前では隠して元気そうにふるまうため、家族は気づかないことも多いです。また、ニュースに取り上げたり、話題にしたりすることがないため表には出てきませんが、自殺というのは非常に身近にある問題です」と話し、「正しい知識を持つことが大事」と呼びかけました。
講演する鵜戸さん
続いて、自殺者数は男性が女性の2倍であることやホルモンバランスの関係でうつ病にかかる確率は男性よりも女性も高いこと、ストレスが心身に与える影響と対処法などについて説明、「うつ病は、こころの強さ、弱さの問題ではなく、脳の病気です」と強調した上で「うつ病には早期対処が大切。もっとやれという意味に取られてしまう『頑張ってね』ではなく、相手を認める言葉として『頑張ってるね』と声をかけるだけでも、相手は気持ちが楽になります」とうつ病の人への声のかけ方や対応法などを紹介しました。
聴講した肝付町富山の池之上好子さんは「声かけの大切さを実感しました。以前、知り合いから『さびしい』と電話がかかってきたことがあり、『あれはそういうサインだったのかもしれない』と思いました。そのときはすぐに応じることができたのでよかったですが、これからも相手が出すサインに気づけるようにして、助けることができればと思います」と自殺やうつ病を身近な問題としてあらためて認識した様子でした。
この記事へのコメントはありません。