肝付町移住促進支援事業「きやんせ」の一環として、3月19日から24日にかけて、川上地区の空き家で改修作業が行われ、22日に報告会及び懇親会が開催されました。
「きやんせ」は地域に眠っている空き家を改修して、移住する前に試しで短期滞在できる宿泊施設兼地域住民のコミュニティースペースにするというプロジェクトです。
今回の改修作業は2月に引き続き行われたもので、担当したゲスト建築家は建築デザイン分野で活躍している東京の建築家の河内一泰(こうち かずやす)さんです。
さらに以前、河内さんと同じ設計事務所で働いていた鹿屋市出身の建築家・杉村浩一郎さん(東京在住)も協力し、杉村さんの地元の友人や同業者などに声掛けして多くの人が手伝いに訪れました。
報告会で今回の改修について説明する河内さん
まず、河内さんは「(家の前を流れている)川を見せたい」と窓から見える景色を活かすために天井を低くすることを考えて改修作業を進めることにしたそうです。
天井板をはがしたところ、梁などにいい木材が使われていたことから、その縦の空間も活かすために半透明の素材を使った天井をつくることにしたそうで、梁と梁の間に7.5~20ミリメートルの等間隔でテグス(釣り糸)を張り巡らせ、それを10層重ねることで独特な空間を生み出しました。ちなみに使ったテグスの長さは全部で20kmほどになるそうです。
部屋からは前を流れる川が見えます
テグスが張られた天井
河内さんは「現場でどうするかを考えながら設計と工事も同時進行でするということは普段の仕事ではまずありません。今回のプロジェクトは自由に変更でき、遊びの要素もあって楽しかったですね」と語り、「滞在型の設計」を楽しんだ様子でした。
外にはテラスもつきました
また、杉村さんは「苦労はありましたが、同級生や同業者、学生など20人以上の人が手伝いに来てくれて、うれしかったです。みんなが手をかけてつくることに意義があると思います」と話してくれました。
光を反射するテグスの天井
報告会兼懇親会では、地域住民が「天井部分に照明はつけないのですか」などの質問をしながら、興味津々の様子で天井を眺め、張られたテグスに隣の部屋などから差し込む光が反射する様に見入っていました。
※「きやんせ」事業による川上地区のコミュニテ―スペースは閉鎖されました。
この記事へのコメントはありません。