子育て中の女性を対象としたテレワーク体験が肝付町地域包括支援センターの主催により、2月10日、肝付町新富のおじゃんせ結いの家(※)で行われた。
※新富おじゃんせ結いの家…地域住民の交流の場として、現在、肝付町社会福祉協議会が管理・運営している、商店街の空き家を利用した施設。
親子4組が集まった当日は、子どもたちにも楽しんでもらおうと、サンドイッチパーティーの昼食会も開催し、親子そろって食事をした後に、東京、徳島とインターネットで結んでの体験会が始まった。
開始前にみんなで食事会
講師はジェントルワークス(東京)代表の串田さんと、ザップクラップ(徳島)代表の野田由香さん。2人は地域の潜在労働力の掘り起こしと小規模企業支援に向けたノウハウ提供を行う事業を共同で展開する計画で、それに備えて体験会を開催することとなった。
自己紹介後、テレワークについて自分たちの仕事における実例として、企業の会計処理やアンケートの入力作業などをチームで行っていることなどを解説。また、GoogleドキュメントとGoogleスプレッドシート(※)を使用した簡単な入力を実践してみせ、参加者たちはおおよその作業の流れを体験した。
※Googleドキュメント、スプレッドシート…Webブラウザで動作する、グーグルが開発したソフト。ドキュメントはワープロ(文字入力中心)、スプレッドシートは表計算ソフト。クラウド上に保存されるため、複数の人がリアルタイムで共有し、編集できる。またオフラインでも利用できる。
小さな子どもは抱っこしながら体験
2階で遊ぶ子どもたちとSATボラクラブ(町内の中高生によるボランティアグループ)のメンバー
参加者からは「スキルを身につけるにはどのくらいの時間がかかるのか」「環境づくりが難しそう」などの声が出た。
串田さんは、あらためてテレワークはパソコンの基礎的な操作や仕組みがわかっていないとできないこと、自社の場合はスカイプが使えて、メールアドレスを持っていることが、面接への条件になることなどを説明した。
また、野田さんは「仕事ができるレベルになるまでは勉強が必要」とスキルアップ講座を開催していることなどを紹介、「自発的に考えることが大事」と強調した。
串田さんと野田さんに共通しているのは「日本に納税者を増やしたい」という思いだ。社会を支えていくためにも、「生きる力」をひとりひとりに身につけてもらう。
そのために、ターゲットとしたのが、子育てや介護などで離職し、「納税者」でなくなることの多い女性だ。また、委託でも安心して働ける仕組みをつくりたいと考えている。
今回、肝付町は、これまで町民に向けて「iPad講座」を開催したり、ICTを利用した徘徊模擬訓練を実施したりしており、「ICT」への拒否感がない土壌があると見込まれて最初の体験会開催場所に選ばれた。
今後も各地で体験会を開催して情報を集め、テレワークに向けた教育カリキュラムを作成していく計画だ。
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