認知症の人が行方不明になったという設定で捜索訓練をする徘徊模擬訓練が、肝付町新富地区で3月10日に実施され、地域住民をはじめ、肝付町地域包括支援センターや町役場、肝付警察署などの関係者ら100名超が参加しました。
肝付町消防団東部分団詰め所にて本部設置
同地区では9回目となる訓練で、地域住民や介護事業所、行政などの職員ら有志で構成される新富コミュニティ協議会「寄って結って会」が主催。鹿児島市で4月に徘徊訓練の実施を計画している「みま~も・かごしま(かごしま地域見守りネットワーク)」のスタッフや大阪府立大学の学生らも参加しました。
今回の訓練には、見守り用に開発されたICT機器、「GPS認知症徘徊感知機器iTSUMO」(ライフクリエイト)と「キャラバン見守りシューズ」(未発売品/フジクラ・ライブリッジ)が使用されました。いずれも機器を持つ人の位置情報をスマホなどの端末で確認することができます。ICT機器を活用した訓練は、トライアルを含めると今回で3回目です。
使用されたICT機器
靴底に仕込むタイプも
当日は、新富地区の中心部にある町消防団東部分団詰所に集合。徘徊者役4名、捜索班8グループを設定し、1名を2グループで捜索しました。
捜索開始前の打ち合わせ
まずは寸劇をまじえての捜索願いの届け出方法を説明、本部が設置され、捜索が始まりました。徘徊者役が機器を取り違え、再度設定し直すなどのトラブルもありましたが、操作時間に割り当てられた1時間以内にすべての徘徊者役が発見され、本部で無事に保護されました。
捜索の様子
捜索班から10分ごとに電話報告を受けていた本部担当者は「着信が重なって発見の報告が受け取れなかった。また、(記録担当者に内容が伝わるように)復唱すればよかった」と振り返り、今後の課題としていました。
捜索中の本部の様子
捜索に出ていた人々からは「通りすがりの人へ協力を求めるときの話しかけ方など勉強になった」「GPSがあると便利!」「地図がわかりにくく、土地勘がないと難しい」「探しやすいけど、うまく動かないときが問題」「1台につき端末1台しか接続できないのは探しづらいのでは」などの声が上がっていました。
さつきサロンを中心に地域の女性たちがでんぷん汁の昼食を準備
山川忠夫会長は「まさに継続は力なり。参加者が増えて、地域に根ざしてきたと感じられました。施設や行政などと連携をとることが大事です。今後も続けていけそうです」と訓練の継続を望んでいました。
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