晩秋から初冬にかけ、野山や道端、民家の庭先など、あちらこちらで黄色の花を咲かせるツワブキは、広く分布しており、鹿児島でもごくありふれた植物です。
3月から4月には、食用となる新しい葉柄が出てくるので、道路脇の山の斜面などでツワブキ採りをする姿がよく見られ、また、店頭にも並びます。
食卓には煮付けや佃煮、炒めものなど主に副菜として登場しますが、調理をする際は、下ごしらえとして皮をむき(軽くゆでてから皮をむく場合もあり)、ゆでてアクを抜きます。
ここ肝付町でも、ツワブキは春の味覚として馴染み深い食材で、皮むきはお手の物という熟練者がたくさんいるなか、平後園きらきらサロンでは皮むきの速さを競う「つわむき大会」を毎年開催しています。
このサロン(高齢者の交流グループ)は肝付町波野地区で活動していて、立ち上げから8年、つわむき大会は毎年の恒例行事となっています。
ちなみに、平後園は地名(大字)で、「へいごぞの」と読みますが、地元の呼び名は「ひごぞん」。まったく違う地名と間違いかねませんのでご注意ください。
今年、つわむき大会が実施されたのは、4月20日。ひとり15本ずつが準備されました。サロンリーダーのタツ子さんが前日に知り合いのミカン山で調達してきたもので、少し時期が遅かったため育ちすぎているものが多かったそうです。
出席者は20名。メンバーは33名なのですが、水に入る田植えの時期に冷え込んだこともあり、風邪による欠席者も多く、連続優勝しているというメンバーも残念ながら今回は欠席でした。
まずは手袋をして準備。手袋をはめるのは、汁がついて指先が黒くなるのを防ぐためです(洗ってもなかなか落ちないのです!)。下準備として、両手で持って曲げ、やわらかくして皮をむきやすくしていました。
タツ子さんの合図とともに一斉にスタート。みなさん、無心にひたすら皮を向いていきます。自然と口数も少なくなり、ぽきん、ぽきんとツワブキの端の部分や長いものを折る音が響きます。
優勝したのはセツ子さん。むきやすいからと手袋もせず、素手で挑みました。記録は4分43秒。1本を20秒足らずでむいたことになりますが、それでも初優勝とのこと。連続優勝されていた方はどのくらいの速さだったのか気になります。
終了後は、表彰式。上位入賞者のみなさんが笑顔で賞品(箱ティッシュ)を受け取っていました。むいたツワブキは各自持ち帰り、今夜のおかずにするそうです。
みなさんも来春はご家庭で「つわむき大会」を実施してみてはいかがでしょうか。
きもつき情報局でも、慣れてない人なら、1本のツワブキの皮をむくのにどのくらい時間がかかるものなのか、検証してみようと思います。
※つわむき大会の様子を動画でも、ご覧ください⇒こちら
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