肝付町のある大隅半島の反対側、薩摩半島の指宿市からブックカフェ号「そらまMEN」が10月1日、山川・根占フェリーに乗って錦江湾(鹿児島湾)を渡り、肝付町福祉会館を訪れました。
(福祉会館駐車場にてオープン中のそらまMEN)
そらまMENは指宿市のNPO法人本と人とをつなぐ「そらまめの会」が運行する移動図書館車。「『本があること』の環境から離れた場所に住む子どもたちやその環境にない大人にも本を届けたい」とクラウドファンディングで資金を集めて設置したものです。約500冊の本をのせることができ、ボランティアスタッフ12名が交代で運行、月2~3回、出動しています。
今回、そらまMENは「輪っ笑い(わっしょい)講座(※)」の講師として招かれた、そらまめの会の理事長下吹越(しもひごし)かおるさんとともに来町、講座終了後の受講生や福祉会館を訪れた親子連れなどがブックカフェを体験しました。
※肝付町社会福祉協議会主催の生活支援サポーター養成を目的とした講座。地域のなかでの助け合いやボランティアのきっかけづくりとして、2019年度に全10回開催。
(指宿弁のかたりきかせをする下吹越さん)
講座では、下吹越さんがNPO法人で実際に行っている鹿児島弁の紙芝居や詩の朗読などを実演、指定管理者として指宿市立図書館を運営していることやそらまMENの活動などについて話しました。
下吹越さんは「読書というのは子どもだけでなく高齢者にも、脳の活性化のためにも必要。文字が小さいと読みたくないという声もありますが、文字の大きな大活字本もあります」と紹介、
「今回うたあそびを一緒にしましたが、なにかを一緒にすることで心が近づくので、会議の前などにしてみるといいと思います」などボランティア活動をする上でのアドバイスもおくりました。
(講座中には、楽しそうな笑い声がたびたびわきました)
また、受講生からの「読み聞かせをするときのポイントがありますか」という質問には「『選書8割』といわれています。その本が、その場所に、TPOにあっているかが大事です。また、クイズをしたり、参加者にも読んでもらったり、参加型にするのもよいと思います」と答えていました。
講座終了後、そらまMENに立ち寄った受講生たちは「これは有名なお医者さんの本だよ」と手にとって広げてみたり、「久しぶりに本を読む」と椅子に座ってページを繰ったりしていました。
下吹越さんは「そらまMENは県外でも呼ばれたところに行きますが、大隅半島は初めてです。(講座では)受講生のみなさんがすごく楽しんでくれているのが伝わってきましたし、本を読んでみようという気持ちにつながっているのが実感できました。自分たちもこうした活動をしたいと思ってもらえたら」と、今後も指宿から全国へ発信していきたいと話していました。
(本を手にとる受講生たち)
(「カフェ」とつくだけあって、飲み物の販売もあります)
(読書のひととき。テーブルなども運んできます)
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