猫をまつった神社として、鹿児島市の仙巌園にある猫神神社が有名ですが、実は肝付町にも猫にまつわるいわれのある神社があります。
流鏑馬奉納で有名な四十九所神社の近くにある御社(五社)神社です。四十九所神社の前を流れる水路沿いに250メートルほど東へ向かったところにあります。
(弓張城のあった山の麓にある御社神社。神社の前を流れる水路付近では、時期になるとホタルが飛びます)
この神社には、飼い猫が出ていって帰らない時、病気の時にお参りして、粢(しとぎ※)を供えれば、7日経たないうちに必ず帰ってくる、病気が治るという言い伝えがあるのです。
※しとぎ…神前に供える、米粉でつくった餅のようなもの。
これは江戸時代後期に編纂された「三国名勝図会」に記されています(三国名勝図会巻之四十八参照※)。
※国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧することができます。
(「三国名勝図会」より抜粋)
それによると、この神社は、16代肝付兼続が天文2年(1532年)に、謀反を起こそうとした叔父の兼親とその妻子、飼い猫を殺した祟りを恐れて、天文8年(1539年)に建立されたと伝わっています。戦国時代らしいといえば、実に戦国時代らしいエピソードです。
「三国名勝図会」においては、兼親夫妻、子ども2名、猫をあわせて「五所宮と崇む」と記されていますが、まつられているのは兼親夫妻と子ども(2名)と兼親の母親の5名という説もあるようで、はっきりしません。
なにせ500年も前のことですから真相はわかりませんが、三国名勝図会に書かれた当時、猫にまつわるいわれがあったのは確かなことではないでしょうか。猫好きの方はぜひお立ち寄りください。
(四十九所神社近くにいた子猫)
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