宇宙に関するお土産などを取り扱う肝付町の観光拠点施設「宙の家」で快活に業務をこなすひとりの女性が、今回紹介する宇宙のまちづくり地域おこし協力隊の楢崎恵(ならざきめぐみ)さんです。
楢崎さんは昨年9月に着任。地元は同じ大隅半島の鹿屋市で高校卒業後、進学のため福岡県に移住し、そこで25年ほど過ごしていました。
また、福岡県で結ばれたご主人とブライダル関係の会社を経営し、紆余曲折ありながらも幸せな生活を送っていたそうです。
そんな楢崎さんが協力隊に応募するきっかけとなったのが新型コロナウイルス感染症によるパンデミック騒動。ブライダル業界もその影響を受け、やむなく閉鎖する式場などもありました、経営する会社も厳しい状況にありましたが、周りの協力に助けられ存続することができたのだそうです。
楢崎さんが手掛ける引き出物のサービスサイト
その時の恩を心に刻み「次は自分が誰かのために役に立ちたい!」と、インターネットで検索をかけ、地方で協力活動に取り組む地域おこし協力隊の存在を知りました。
そこで出身地の鹿児島県を第一候補にさらに調べていくと、かつて祖父母が住んでいて、頻繁に遊びに行っていた幼少期の思い出の地、内之浦地区がある肝付町が目に留まりました。
思い立ったが吉日、検索から数日後には肝付町に応募しました。着任してからは前述の宙の家を拠点にSNSを活用して町の魅力をPRする毎日。日々まちおこしのために汗を流しています。
■ここでしかできない何か
そんな楢崎さんが今年7月に新たな企画を立ち上げました。内之浦宇宙空間観測所をロケーションにしたウェディングフォトで、本格始動を前にPR用の撮影会を行いました。
「これまでブライダル関係の仕事に携わってきたので、自分のノウハウを活かせること。そして肝付町でしかできないことを考えて企画しました」
撮影当日は、最近結婚式をあげたばかりの役場職員をモデルに行われ、カメラマンの他スタイリストが同行するなど本格的な撮影会となりました。
「いずれはこのウェディングフォトをパッケージ化してふるさと納税の返礼品に登録したいと思っています。ここでしかできないことを精一杯PRしていきます」と目を輝かせます。
■これからの夢
楢崎さんは夫婦で移住しており、卒隊後も家族と共に肝付町での生活を続けていきたいと話します。
また宙の家の敷地内にカフェを開きたいといいます。「宙の家はJAXA施設のそばにあるので、全国からお客さんが集まります。マーケティングにはうってつけで、何かを始めるには最高の立地条件なんです」
楢崎さんの活動拠点「宙の家」
そしてカフェを開くこと自体が目的ではないと付け加えます。「移住者を増やすためのプラットフォームづくりが主軸です。それができて、やっと地域へ恩返しができたと胸を張って言える気がするんです」と、話す楢崎さん。ここでしかできない事を実行するため今日も青写真を描いています。
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