先生とつくるアートは独特の筆使い

独特の筆の流れで画用紙一杯に力強く描かれた鹿児島県の象徴「桜島」。作者は肝付町立高山小学校に通う4年生の男子児童、亀田航琉(わたる)くんです。

その絵が昨年発行(令和5年10月31日)された議会広報誌の表紙を飾り、「吸い込まれるような独特の世界観だ」と、絵と文字で構成された作品が話題になりました。

そんな航琉くんの才能に気づいたのは1年時に特別支援学級の担任をしていた田代里子先生です。航琉くんに文字の練習を兼ねて筆を持たせたことがきっかけでした。

「鉛筆の握り方が筆の持ち方に似ていたので、習字をさせてみたところ、とめ、はね、はらいなど味わい深いものばかりでした。その一つ一つを組み合わせれば絵も描けるのではないかと取り組んだのが始まりです

タブレットを机の片隅にもくもくと課題プリントをこなしていく航琉くん。このタブレットは授業を進めていくために必要な教材でもありますが、一番の目的は課題をクリアした時のご褒美としての役割。残りの時間を自由に使わせることでモチベーションを維持させるのだそうです。

■先生と僕の協働作業

田代先生のサポートで筆を走らせる航琉くん。制作活動は、点と点を線で繋ぐことから始めて形を作っていきます。最後にそれらの素材をスキャナーにかけ、レイアウトを調整して完成です。

そのように文字の練習を兼ねて学校での制作活動を続け、集大成として3年生の時にカレンダーを制作しました。これは航琉くんの文字や数字にその他の子どもたちが描いたイラストを添えたもので、個性的でカラフルな心温まる作品となりました。

作品は校内でお披露目されたものの「通級指導教室や特別支援学級に通う子どもたちの取り組みを広く知ってもらいたい」という思いから、肝付町の町長など各方面へプレゼントしたそうです。

■航琉くんのメジャーデビュー

4年生になると、これまでにない特別な事に挑戦することになりました。それは、父親の孝臣さんがプロバスケットボールB3リーグに所属する「鹿児島レブナイズ」の中島良史選手の個人スポンサーを務めていることがきっかけとなり実現したプロジェクトで、同選手の似顔絵をプリントしたTシャツを制作しました。

「特性のある子と社会をつなぐ架け橋の一つとなれば」と、そのTシャツのイラストを航琉くんが担当。中島選手の背番号「1」や似顔絵、噴火する桜島などが描かれたTシャツは、チームの公式戦で販売(航琉くんも参加)し、売り上げの一部は町の社会福祉協議会へ寄付しました。

このように周りのサポートを受けながら様々な事に挑戦し、成長してきた航琉くん。父親の孝臣さんはそんな一人息子に「これからも、みんなに愛される大人になってもらえたら」と、願いを込めます。

当の航琉くんはどこ吹く風と、今日も学校での生活を元気いっぱいに、そして楽しそうに過ごしています

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