ありがとうKSドーム 今月14日から解体始まる

内之浦宇宙空間観測所で主に観測ロケットの打ち上げが行われるKSセンター。そこには一際目を引く大きな建造物があります。

そのドーム型の建屋は打ち上げ直前までロケットとランチャを雨や風から守る役割を持った天蓋開閉式発射保護装置です。親しみを込めてKSドームと呼ばれてきました。

KSドームの運用は1981年から。観測ロケットS-310-10号機が同年8月24日に打ち上げられたのが始まりです。開いた天蓋から飛び出すロケットの姿は、テレビ番組「サンダーバード」の1シーンを思わせたそうです。以後、観測ロケットの発射保護装置として活躍してきました。

これぞまさにサンダーバード1号機!

またKSドームがあるKSセンターは標高276メートルにある、面積7000平方メートルの造成台地で1970年には日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられた場所でもあります。

KSセンターから打ち上げられる人工衛星おおすみを搭載したL-4S-5号機

そんな特別な場所に堂々と佇むKSドームがこのほど老朽化のため解体されることになりました。

報道関係者向けの打ち上げ前公開の様子

JAXAとしては発射保護装置としてではなく、なにか他に利用ができなかいか模索していたといいます。しかし老朽化による危険性を前にしては、泣く泣く解体に踏み切るしかありませんでした。

天蓋が開いた状態のKSドーム

KSドームに思い入れがあるという、きもつき宇宙協議会の村岡知行代表理事は「小さい頃から慣れ親しんだKSドームです。そこから見る初日の出、そして寒さを凌ぐために利用したことなど思い出がたくさんあります。可能であれば残してほしかったのですが、こればっかりはしょうがないですね。今までお疲れ様でした」と少し寂しげに話しました。

解体作業は今月14日から。それまではドームの大扉に「ありがとうKSドーム」と感謝の言葉を記した垂れ幕が掲げられます。

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