肝付町内之浦地区漁港の防波堤に描かれた2匹の龍は、1999年に当時の町観光協会が中心になって描いた大きなペンキ絵です。
前回の修復から22年がたった地域のシンボルは、風雨や潮風による経年劣化で塗料はげや色褪せが目立つようになりました。
そんな状態を見かねた有志らが「郷土を未来へつなぐプロジェクト」を立ち上げ、龍の絵を復活させるための修復作業を3月30日、同防波堤で実施。22年ぶりに赤と青の親子龍が向かい合う色鮮やかな地域のシンボルが姿を現しました。
この日は町内の子どもたちにも参加を呼びかけ、約100人が集結。参加者らは、内之浦出身の画家、故・宍野勝文さんと共に元となる龍のペンキ絵を制作した同プロジェクト代表の田畑明美さんの指示でペンキまみれになりながらも楽しそうに筆を走らせました。
白い作業着姿で参加した橋野真凛さん(16)は高校の美術部に所属しているといこともあって、手際よく作業を進め、3メートルの高さの防波堤に姿を現した2匹の龍を眺めながら「防波堤に塗るのは初めてだったので楽しかったです。今回塗った作品がまた何年も残ってくれたら嬉しいです」と話しました。
プロジェクトメンバーの吉原光さんは「みなさんのおかげで立派な龍が蘇りました。これからもこのような活動を通して、郷土を愛する心を次世代へと継承していくことができたらいいですね」と、期待に胸をふくらませました。
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