【きもつき情報局】肝付町で初めての異業種交流サロン開催

寒気の強まった1月17日、肝付町内之浦地区のコスモピア内之浦で町主催による初めての異業種交流サロンが開かれ、九州の生産者のアンテナショップ「九州のムラ市場」(福岡市)の中野幸浩さんの講演会と交流会が行われました。同サロンには農家や食品製造業者、販売業者など80人を超える参加がありました。

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会場には事前の予想を超える大勢の人が集まりました

永野和行肝付町長の開会のあいさつに続いて行われた「物をつくり、売ること―『連携』の大切さとその理由―」と題した講演では、中野さんが10年にわたってアンテナショップの運営に携わり「九州内の800カ所以上の生産者のもとを回りました」という経験をもとに、生産者と売り手、そして消費者との信頼関係の重要性を指摘、時折ユーモアをまじえながら具体的な実例を挙げてわかりやすく解説しました。参加者は中野さんの軽妙な語りに時々笑みを浮かべながらも真剣に聞き入っていました。

中野さんは「たとえば生産者が一人でものをつくって加工して売ると、そのどれもが中途半端になってしまいます。スペシャリストが100パーセントの力を出すためには連携することが必要です。生産者、加工業者、売り手が、お互いの仕事や苦労を理解し、尊重し合うことで連携ができるようになります」と人と人との連携や情報を共有することの大切さを強調しました。さらに「いずれ地域の時代、地方の時代になります。豊かさは地方にあります。それを生かすために、それぞれが情報の伝え役となり、連携したものづくりをしてください」と参加者に呼びかけました。

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具体例を挙げて話す中野さん

講演の後、永野町長にコメントを求めたところ、「こうした会は初めてでしたが、たくさんの人に集まっていただいて、いいスタートが切れたと思います。中野さんの伝えてくれた現場の声には目からうろこが落ちる思いがしました。これをきっかけに新しい展開が出てくるのではないでしょうか」と今後の展開に期待している様子でした。

その後の交流会ではキャンピードレッシングやキダカ料理、サツマイモを使った「三食だんご」といった新商品の紹介や自社PRがありました。参加者は交流会場に並べられたさまざまな商品を試食しながら生産者の話を聞いたり、名刺を交換したりして交流を深めていました。

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岸良おとめ工房は「三食だんご」を紹介

手塩にかけて栽培したキンカンを出品していた丸山果樹園の丸山昇さんは「これまで加工も手掛けてはどうかとの話もあったのですが、それよりも生産に専念していいものをつくらなければならないのではないかと思っていました。講演を聞いて、それは間違っていなかったと確信できました」とさらに生産への思いを強くした様子です。

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試食しながら生産者の話を聞きます

講師の中野さんは「肝付町には何かがありそうな気がします。しかし、新しい流れを生み出すには民間と行政それぞれに核となるリーダーが必要です。また、町民のみなさんの応援が不可欠です」と語り、今後肝付町がものづくりの分野で発展していくためにはキーパーソンが登場する必要性を力説しました。

主催した町の産業創出課の田畑哲也さんは「初の開催で予想以上の参加があり、驚きました。このような異業種交流を待っていたという声も聞かれてうれしかったです。今後はもっと工夫して、さらによくしていきたいです」と手ごたえを感じているようでした。

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