【きもつき情報局】長野観音を内之浦の新たな観光スポットに!

肝付町には古墳群や戦争遺跡など数多くの文化財があり、パンフレットなどでも紹介されていますが、全部を網羅しているわけではありません。私たちの知らないところにまだ埋もれているものがたくさんあるようです。
そんな一般にはよく知られていない文化財を整備して新たな観光スポットにつなげようとボランティア活動を続けているのが、肝付町内之浦地区の地域おこしグループ、「地域おこし内之浦」です。
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案内板を設置する地域おこし内之浦のメンバー
同グループは、これまで史跡の掘り起しや朝市の企画、災害ボランティアなどさまざまな活動を展開してきました。今回、新たに取り組んだのが内之浦地区の山間にある「長野十一面観音」の整備作業で、2月17日には7名が参加して案内板の設置や周辺のやぶ払い、橋の架け替えなどを行いました。
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巨岩のほぼ真下にある橋を架け替えているところ
この長野十一面観音のある場所は、国見山系を流れる小田川上流の山の中腹あたりで、林道の脇から川へ下る細い道を少し行くと、目の前に巨岩が現れ、その中に祭られています。
岩の下は空洞で、奥行きが18メートル、横幅は広い所で12メートル、高さは入口が1.5メートル、奥の高い所で3メートルほどあります。入口付近は比較的狭く、大人は腰をかがめないと入れません。中は真っ暗で足元はぬかるんでいます。一人でくると多少の怖さを感じるかもしれません。
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観音さまは巨岩の下にできた空洞の中に祭られています
観音さまがあるのは、その洞窟の中ほどで、26立方センチの台石の上に鎮座しています。花崗岩でできていて座高は37センチ。細い目となだらかな眉、口元をゆるく結んで柔和な表情をたたえています。
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頭部に10体の瘤(こぶ)がある長野十一面観音
町誌によると「長野」の由来は、長い野原から名づけられた字名といわれていて、地元で海上運送業を営んでいた須田儀兵衛(すだ ぎひょうえ、1676年生)が1739年、63歳の時に奉納したものです。(藩の)大船用のかじをこの付近から切り出した記念と航海安全を祈願するために京都から分霊を迎え、この地に祭ったとされます。
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十一面観音の功徳が記された立て看板
作業に参加した同グループの代表で活魚料理店「網元」の田中弘幸社長は、「ロケット以外の新たな名所になればうれしいです。また地元の子どもたちに知ってもらうために、暖かくなったらここで体験学習を計画したいですね」と話し、長野十一面観音を内之浦地区の新たな観光名所にしたいとの意気込みを語ってくれました。
実際、観音さまが祭られている巨岩をさらに下っていくと小田川の清流が現れ、そこには滝壺もあって景観がよく、パワースポットとしても人気を集めそうです。
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観音さまの近くにはこのように清らかな滝壺があります
ちなみに同観音までの道のりは未舗装の林道が続き、轍(わだち)が深い部分もあって、乗用車での乗り入れは難しいかもしれません。また、案内板がなければ迷ってしまいそうなところですが、今回の案内板設置により、初めての人でも安心して目的地に到着できそうです。
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