養蜂愛好家が集まって、飼育方法など情報を交換してお互いの交流を深める研究会が5月13日、肝付町内之浦で開かれました。
この研究会は、志布志市の養蜂愛好家が「飼育方法は人それぞれ違うので、他の地区の飼育方法を見て研究したい」と内之浦の養蜂愛好家で活魚料理店を営む田中弘幸さんに話をもちかけて実現したものです。
網元で撮影された記念写真
今回内之浦を訪れたのは、志布志市有明町でニホンミツバチを飼育している5組の夫婦。お昼前に内之浦に到着した一行は「まず現場を視察したい」と希望し、早速田中さんの養蜂場に向かいました。
田中さんの養蜂場を見学する参加者
田中さんの養蜂場があるのは、内之浦の市街地からそれほど離れていない国道沿いの山中で、近くを清流が流れています。緑あふれるその場所で飼育されているのはニホンミツバチです。いくつもの巣箱が斜面にそうようにあちらこちらに設置されています。
「やはり、わたしたちの巣箱とはつくりが違いますね」と、田中さんの巣箱を物珍しげに見学していた参加者は、ミツバチの出入り口近くにまいてある白い粉にも興味を示し、「あれは何ですか」と質問していました。
その質問に対して田中さんは「これはオリゴ糖や乳酸菌が入った栄養補助食品のようなものです。これを定期的に与えているとミツバチが元気になります」と丁寧に答えていました。
巣箱の仕組みについて説明する田中さん(左)
そのほかにも参加者からは、蜂の巣の天敵であるスムシやスズメバチへの対応、花が少ない時期に与える砂糖水の分量などに関する質問が相次ぎました。みなさん、とても勉強熱心です。
この後、一行は住宅街の一画にある西洋ミツバチの養蜂場に向かいました。こちらも田中さんの養蜂場です。
到着すると田中さんはすぐに防護ネットを頭からかぶり、巣箱の上蓋を開けて中から巣板を取り出していきます。その中から働き蜂より一回り大きい蜂を見つけると「これが女王蜂です」と近くで見せてくれました。
ニホンミツバチを飼育しているこの日の参加者にとっては貴重な体験です。口々に「お腹が大きいから羽が小さく見える。やはり働き蜂とは全然違うのですね」と感嘆の声をあげていました。
一回り体の大きな女王蜂(中央)
ちなみに西洋ミツバチの場合は、巣箱の中には数枚の巣板が入っており、そこにミツバチを集め、ハチミツをつくらせますが、ニホンミツバチの場合は巣箱の中が空っぽで、その中にミツバチが入り、自ら巣板のようなものをつくり、ハチミツがつくられていくのだそうです。
このように二2カ所の養蜂場を見学した参加者は、最後に田中さんが経営する店で昼食をとり、その時間を利用して持参してきた手づくりの巣箱や蜂蜜収穫のときの写真を見せ合うなどしてお互いの親睦を深めていました。
自作の巣箱を持ち寄って仕組みなど意見交換する参加者
参加者の祝田寿丈さんは「参考になったところもあり、とてもいい情報交換ができました」と喜び、主催者の田中さんは「みなさんそれぞれの飼い方があっておもしろい。これからもこのような取り組みを続けていって、愛好家を増やしていきたいですね」と、初めての研究会に満足している様子でした。
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