【きもつき情報局】自顕流の精神に学ぶ研修会開催

肝付町高山地区が発祥の地とされる薩摩の秘剣「薬丸野太刀自顕流」の心得を学び、日々の業務に活かそうという研修会が6月10日、肝付町と隣町の東串良町を管轄する肝付警察署で行われました。
 
同署の武道場で開かれた研修会には署員約30人が参加、薬丸野太刀自顕流保存会の会員らによる気合いのこもった演武を見学し、同会の東隆一会長の講話に耳を傾ける一方、後半には実際に打棒(うちぼう)と呼ばれる木の棒を持ち、横に並べられた木(横木)にその棒を打ちつける基本稽古を体験しました。
 

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署員の前で講話する保存会の東会長 
 
白の道着と紺色の袴に身を包んだ保存会のメンバーは、まず初めに相撲のようなぶつかり稽古を行い、東会長が「体をぶつけあうことで、相手の気持ちや呼吸がわかってきます。昔の人はこうしたぶつかりあいを大事にしていました」と解説しました。
 

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気合いを入れて相手に突進するぶつかり稽古
 
この他、直径3、4センチほどのユスの木を束ねた横木に向かって木刀がわりの打棒を「蜻蛉(とんぼ)」という独特御構えから、猿叫(えんきょう)と呼ばれる気合いの掛け声をあげながら、ひたすら打ち続ける「続け打ち」、走りながら横木を打つ「掛(かか)り」、打棒を腰から抜いて相手を下から上に切り上げる「抜き」、そして「槍止(やりど)め」などを披露しました。
 

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一瞬にして相手を下から上に切り上げる抜き 
 
地元肝付町をはじめとする県内各地からはせ参じたという保存会の会員は、顔を真っ赤にして一心不乱に稽古に打ち込んでいます。東会長が「自顕流の特徴は今の日本人にはあまり見られなくなった鬼のような形相です。新選組にも恐れられた剣法でした」と指摘するとおり、すさまじい形相です。
 

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 長い槍を相手に切り込んでいく槍止め
 
さらに東会長は演武中、「桜田門外の変や生麦事件、西南戦争など歴史の歯車を回したていたのが自顕流です。自顕流が近代日本をつくり上げたのです」と何度も強調しながら、「自顕流の精神を今一度見直し、そこから学び、新しくすばらしい日本をともにつくっていきましょう」と集まった署員に呼びかけました。
 
保存会会員による一通りの稽古が披露された後、今度は「みなさんも実際にやってみましょう」という呼びかけに応じて、警察官が続け打ちを体験することになりました。日頃の鍛錬のたまものでしょうか、彼らが上げる気合いのこもった掛け声は武道場の外まで響くほど大きなもので、その気合いに東会長は「さすが警察官、日本の若者もまだまだ捨てたものじゃない」と感心していました。
 

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 最後に続け打ちを体験する警察官
 
実際に続け打ちにも参加した同署の木下秋生署長は「身を挺して頑張ること、そして現場でひるまない強い心、そうした薬丸野太刀自顕流の精神が署員に伝わってくれれば嬉しいですね」と話しました。
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