【きもつき情報局】子どもたちに伝える流鏑馬の伝統

遠く平安時代から続き、約900年の歴史があるといわれる高山流鏑馬(やぶさめ)はいわずと知れた肝付町最大のイベントですが、そんな町の伝統行事を学んで郷土を愛する心を育てようと高山小学校の4年生74人が6月19日、流鏑馬が奉納される四十九所神社で高山流鏑馬保存会(益山瞬一会長)の協力のもと校外学習を行いました。

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校外学習が行われた流鏑馬が奉納される四十九所神社
 
子どもたちには、前もって高山流鏑馬保存会のホームページなどで事前学習をしてきてもらい、最初から保存会のメンバーに質問をぶつけ、それにメンバーが答えていくという形式で進められていきました。
 
事前学習のかいあってか、子どもたちからは「本番前に柏原海岸に行くのは何のためですか」、「本番で一本だけわざと矢を外すのはなぜですか」などの質問が次々に出されます。
 
それに対し、同会のメンバーは「関係者全員の心と体を清めるために柏原海岸に行きます。神様に近づくために必要なことなのです。そして矢を外すのは、満点をとったら目標がなくなってしまうので、目標をもって来年へ向け努力するためにわざと外すのですよ」と、一つひとつ丁寧に答えていきます。

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子どもならではの視点でさまざまな質問が出されます
 
質問の後は、子どもたちが社殿に移動し、この日のために用意された流鏑馬の衣装や鎧、兜、弓などを見学しました。貫禄(かんろく)があり、歴史の重みを感じさせる、こうした品々について保存会のメンバーから説明を受けながら、子どもたちは目を輝かせ、食い入るように見つめていました。

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流鏑馬の衣装や鎧甲冑について説明する保存会メンバー
 
最後は、実際の流鏑馬で馬場を走る馬との触れ合いの時間が設けられました。ベテランの「高富士」と新馬の「はやぶさ」の二頭の馬です。
 
子どもたちは頭をなでたり、馬に乗せてもらったりと、実際の馬との触れ合いを楽しんでいる様子ですが、女人禁制という流鏑馬の伝統により、馬に乗せてもらえるのは男の子だけです。馬に乗せてもらえない女の子はちょっとうらやましそうです。
 
馬にまたがった男の子の中には、馬上で弓を引く格好をするなどして、射手への憧れを体で表現している児童もいました。

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馬にまたがり弓を射る格好をする男の子
 
子どもたちは「高富士がかっこいい」、「はやぶさがかっこいい」と馬の好みはさまざまでしたが、どの男の子に聞いても「中学生になったら射手をやってみたい」と口をそろえていっていたのが印象的でした。
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