きもつきの歴史について紹介する歴史探訪の第1回塚崎編の第3部では、塚崎古墳群にある前方後円墳に関する解説をお届けします。講師は肝付町文化財保護審議会の海ケ倉善通さんです。なお、下の文章は解説を書き起こしたものですが、話し言葉のため、若干の加筆・修正が加えられています。
塚崎の前方後円墳
ここは11号墳と呼ばれる前方後円墳です。だいぶ大きなもので60メートル以上あります。これほど大きくはないですが、県道(539号)の向こう側、南の方にも10号墳(前方後円墳)があります。
前方後円墳の後円部で説明を受ける受講生
ここが後円部、後ろの円形の部分です。前方は北側に向かっています。
後円部の頂上のここを見てください。もうだんだんわからなくなりつつありますが、くぼみがあります。これはおそらく昔、盗掘をされた跡です。中に宝物が入っているんじゃないかと掘って中を見た跡なんですね。
そんなに大事なものは入っていません。鉄の刀とかちょっとした装飾品なんかが入っているぐらいです。こうした副葬品というのが必ず(古墳の)中に埋めてありますので、それを狙って掘った跡なんです。
古墳の全景を望む
この古墳を見てもらったのは、古墳の形がしっかり見られるところだからです。他は山の中にあってなかなか見通しがききませんので、古墳全体の形というのはわかりません。
この場所は小さな木などを切って、見通しがよくなるように周りを整備したところです。
ここから向こうのクスノキの方までと田んぼの上の方までですね。たくさん古墳があるんですが、ほとんどそこまで中を歩けるようにしました。本当の古墳の形というのが見られるようになっています。
ほぼ全体像が見渡せる第11号墳
以前は小さな木がたくさんありまして、古墳の形がきれいに見通せる状態じゃなかったんですね。これを見ていただくと古墳というのがこういう形だというのがわかると思います。
ちなみに、ここの塚崎古墳群の中でいちばん大きなのは、花牟礼に39号墳というのがあって80メートル以上あります。
この古墳は早い時期につくっています。というのはこの後円部の高さに比べて前方部が低いんですね。あとからつくられた前方後円墳は前方部も高くなっています。
(大崎町にある)横瀬古墳は後円部と前方部の高さの差があまりありません。
(第4部 「塚崎の大クス」に続く)
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