【きもつき情報局】個性派建築家が内之浦に残したもの

肝付町の内之浦銀河アリーナで2013年8月19日、「池辺陽(いけべ きよし)シンポジウム」が町と公益社団法人鹿児島建築士会鹿屋肝付支部の共催で開催され、町内外からおよそ130名が参加しました。
 
故・池辺陽氏は東京大学生産技術研究所の教授で、内之浦宇宙空間観測所のほとんどの建物の設計を手がけた建築家です。今回のシンポジウムでは、その弟子で東京大学名誉教授の難波和彦さんによる基調講演や学生によるワークショップ報告会、トークセッションが行われました。
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講演する難波さん
 
「池辺陽研究室のKSC(鹿児島宇宙空間観測所)計画をめぐって」を演題にした基調講演では、難波さんがまず池辺氏の略歴について話し、プロジェクターを使って手がけた建築物などについて紹介しました。
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不思議な形をした池辺氏設計の建物
 
高度成長期に住宅建築で新しい工法や資材を使ったことが観測所の建物設計にも影響を与えたことや観測所の建物はすべてを部品化し、現場で組み立てることを念頭に設計されたことなどを説明し、「(池辺氏は)システマティックなものをつくる一方で、ユーモアのある、彫刻的な理解しにくいものをつくっていた」と解説しました。
 
続いて行われたワークショップ報告会では、内之浦地区に泊まりこんで地域資産の調査をした九州大学、鹿児島大学、第一工業大学の学生3グループが調査結果と解体を予定されていた、ロケット打ち上げ時の避難用シェルターの活用法について発表しました。
 
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学生による報告会
 
学生たちは地域資産として古民家や古い街並みが残っていること、自然環境に恵まれていることなどを挙げ、シェルターについてはギャラリーや図書館、宿泊場所などとして活用してはどうかなどの提案がなされました。
 
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学生のつくった模型
 
最後に、まちおこしグループの内之浦創星会会長の村岡知行さんを交えて建築家によるトークセッションが行われ、「集落とシェルターの間に何かもう一つあればいいのではないか」「シェルターまでの行程を楽しめるようにしてはどうか」などの意見が出されました。
 
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意見を交換するトークセッション
 
村岡さんは「これまで古い街並みを特に意識したことはなかったのですが、残すことも大事なんですね。ロケット以外にもいろんなものがあるのだということをあらためて認識しました」と外部の人の目を通して内之浦地区の持つ魅力を再確認した様子でした。
鹿児島市から参加した建築関係の仕事をしているという女性は「いろいろな方がかかわって保存に向かっての動きがあるというのが興味深かったです。最善の方法で残していければいいと思います」と語り、池辺作品としてシェルターなど建築物の保存を望んでいるようでした。
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