救急医療への理解と認識を深めてもらうことを目的に制定された「救急の日」(9月9日)および「救急医療週間」に合わせて肝付東部医師会は毎年、心肺蘇生法の講習会などのイベントを行っています。
今年は肝付町、東串良町、鹿屋市、大隅肝属地区消防組合東部消防署、肝付町立高山准看護学校との共催で9月7日、肝付町文化センターで「救急医療講演」を開催、町内外の医療関係者や町立高山准看護学校の生徒、民生委員、一般の町民などおよそ160名が参加、地域の救急医療の現状や熱中症対策などについて学びました。
多くの参加者でほぼ満員になった会場
肝属東部医師会の新中須誠会長と永野和行町長によるあいさつの後、「過疎地域の救急のシステム」を演題に鹿屋市医師会副会長の前田稔廣さんが講演し、ドクターヘリの制度が整っているドイツの例を挙げながらヘリの必要性や現状についてなどを解説しました。
また、大隅広域夜間急病センター設立に至るまでの地域の医療について説明し、病気やけがの緊急度や重症度によって治療や搬送の優先順位を決めるトリアージ医療への理解を求めました。
講演する前田さん
続いて肝属東部医師会理事の岩重元栄さんによる講演「夏場の救急疾患~熱中症について~」があり、岩重さんは今夏とりわけ熱中症による救急搬送者が多かったことに触れ、その年齢別の傾向や発症のメカニズム、応急処置などについて詳しく説明しました。
さらに「黒っぽい服装は避ける」「ウオーキングなど適切な運動をして熱中症になりにくい体づくりをする」など予防方法や注意点などを具体的に紹介しました。
来場者に配布された冊子など
最後に大隅肝属地区消防組合東部消防署の瀬貫謙二さんが「救急車が来るまでに」と題して講演しました。管轄区域での通報を受けてから救急車が到着するまでの平均時間は約10分であることを挙げ、この10分間に応急手当をした場合としない場合では助かる確率が大幅に変わってくることなどを解説、「もしもの場合は、それまでに応急手当をしたことがなくても勇気を持ってぜひやってほしい」と呼びかけました。
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