イプシロンロケットが内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた9月14日の午後4時半過ぎ、やぶさめ本番の舞台となる肝付町高山地区の四十九所神社前参道(宮之馬場)での初めての練習がありました。
射手が落馬するケースが多かった昨年と異なり(注1)、今年の射手の吉松大志君はこれまでの練習で一度も落馬を経験していません(注2)。
※注1:おそらくその理由としては、はやぶさが練習に参加するのが初めてだったため、人を乗せて走ることに慣れていなかったことが考えられます。
※注2:その後落馬しましたが、幸い大事にはいたらず、4日ほど休んだ後、無事に練習に復帰しています。
この日の初練習を前にして、「もし落馬があったとしても少な目におさえていきたいと思います」と気合十分です。
しばらくすると事前の整地作業で、ほぼ本番と同じ舞台が整った宮之馬場にかすかな緊張感が漂ってきました。いよいよこの場所での初練習のスタートです。
まずは約330メートルの馬場を歩きで往復する「馬場ならし」。馬場の状態を確認するようにゆっくりと馬を歩かせていきます。
まずは馬場ならしから
やぶさめの練習は本番を想定して行われていて、矢を放たない空走りを含めると全部で4回走ることになります。この日の練習も空走り、一走目、二走目、三走目と続いていきました。
馬に騎乗する大志君の手にはまだ弓矢はありませんが、実際に弓矢を放つことを想定して手放しで走り抜けていきます。
やぶさめのために舗装されていない馬場の脇に立ち、目の前を駆け抜けていく人馬を見ていると、ものすごいスピードです。
それもそのはず、この日乗る馬は若馬のはやぶさです。馬主の川崎良秀さんによれば昨年よりもだいぶ落ち着いているとはいえ、今年の本番を走れるかどうかはまだわからないということでした。
若さゆえの精神面の幼さがネックになっている、と川崎さんが説明します。
デビューに期待がかかるはやぶさ
そんな不安をよそに若馬のデビューに対する期待は高く、今年こそはと大志君とはやぶさの仕上がりに注目が集まります。
練習後の大志君と昨年射手を務めた益山麗斗君(右)
しかし、まだ練習は始まったばかりで、覚えなくてならないことがまだたくさんあります。本番前にそうした課題をどう乗り越えていくのか、大志君とはやぶさの成長をやぶさめロードで引き続きお伝えしていきます。
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