平成27年4月、肝付町に開校する全国初の公立全寮制男子校、鹿児島県立「楠隼(なんしゅん)」の初めての学校説明会が10月5日、肝付町文化センターで開かれました。
雨にもかかわらず大勢の人が集まりました
同校は生徒数の減少から存続が危ぶまれていた県立高山高校の存続策として検討委員会などでの議論を経て誕生したもので、地域の資源も活用しながら高いレベルの教育を提供する中高一貫校として広く全国から生徒を集めることになっています。
この日は、大粒の雨にもかかわらず、町内外から260人が集まり、同校の山崎巧校長をはじめとした準備スタッフが、大きなスクリーンを使いながら、新設校の教育内容と寮生活などについての説明を行いました。
同校の理念として山崎校長らが強調したのは、21世紀を生き抜く創造的知性を育む教育、鹿児島・大隅の地域特性を生かした全人教育、さらには地域とつながり、地域に愛される学校であり、そうした理念の下、高い志を持ち、節義ある行動のとれる人、豊かな人間性を持つ人、世界・日本のさまざまな分野でリーダーシップを発揮できる人を育てたいとの説明がありました。
また同校の特徴として、中高の7限授業、英語や中国語などの外国語教育、ロケットセンターがある立地を活かしたJAXA(宇宙航空研究開発機構)との連携、産学連携によるキャリア教育などが挙げられました。
さらに同校の一大特徴となる寮生活に関する説明が続き、同校生の典型的な一日が紹介されました。
6時 起床
7時30分~45分 登校
7時45分 朝活・朝課外
8時55分 1校時~4校時
12時45分 昼食・昼休み
13時30分 5校時~7校時
16時30分 部活動(全員参加が基本)
18時 夕食・入浴・自由時間
20時 学習指導員による講座・個人指導など
22時 学習及び自省の時間
22時30分 中学生 消灯・就寝
23時30分 高校生 消灯・就寝
※時間帯については今後、変更される可能性があります。
説明会の後の質疑応答では「同年代の異性と接することなく成長するのは親として心配。なぜ男子校なのか」、「寮での食事はアレルギーがある子に対応してくれるのか」など小学生の子どもを持つ保護者からの質問が相次ぎました。
質問に答える学校関係者
吾平町から説明会に参加した小学5年生の男の子は「寮での生活が不安だったけど、今日の話を聞いてなんとかやっていけると思いました。楠隼に行ってたくさん勉強したいです」と話していました。
また元教育関係者の男性は「各々いろんな意見があると思いますが、楠隼は肝付町の高校を存続させるための最善の策ではないかと、今日の説明会を聞いて感じました」と感想を述べていました。
同校に関する説明会は同日午後、会場を肝付町内之浦の銀河アリーナに移して行われたほか、今後は県内各地に加えて県外でも行われることになっています。
この記事へのコメントはありません。