【きもつき情報局】今明かされるイプシロン成功の舞台裏(2013年)

9月14日に肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたイプシロンロケットの打ち上げ成功を記念した講演会が10月17日、内之浦中学校で開かれました。
 
この講演会は、同中学校の全校生徒を対象にしたもので、同観測所の峯杉賢治所長がロケット打ち上げまでの準備や、苦労した点などを話しました。
 

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講演する峯杉所長
 
講演の中で峯杉所長は、8月27日の打ち上げ中止についてその背景を説明した後、次のように語り、9月14日の打ち上げ日は発射1時間前まで再び中止になる可能性があったことを明らかにしました。
 
「実は打ち上げ1時間前に『今日はだめだと思うので全員集合しましょう』と声をかけて管制室に集めて会議を開いていました」
 
「その日は台風による風向きの影響でロケットが爆破した場合の破片が人の住んでいるところに落ちていく計算結果が出ていたので、1時間前になっても打ち上げられる状況になかったからです。しかし、その後台風がちょっとだけ進路を変えてくれたおかげで風向きが少し変わって、破片が落ちてこないという計算結果がその会議中に入ってきました。そこで打ち上げることができたのです」
 
また、当日の打ち上げ予定時刻が15分ほど遅れた理由についても「退避海域に船が入ってきていたのでその船が安全なところへ抜けるまで待っていたからです。これがあと15分遅れていたら、風向きの集計データが信用できなくなる。ほんとうにギリギリのところでした」と説明しました。
 

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峯杉所長を囲んで記念撮影する内之浦中学校の生徒
 
その他にも打ち上げ当日の様子とロケットにつけられた特殊カメラからの映像をまとめたものをスクリーンで紹介する上映会もあり、生徒たちは、普段見ることができない視点からの映像を食い入るように見つめていました。
 
最後に峯杉所長は「ロケットの開発は人と人とのつながり。これがないと絶対にいいものはつくれません。将来いろんなことを成していくうえにおいて非常に大切になるということをみなさんに伝えます」とメッセージを送り、講演会を締めくくりました。
 

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峯杉所長からプレゼントされたフォトパネル
 
この日は会の最後にイプシロンのイラストが描かれた大きな布の幕に全校生徒の手形が入った応援幕を感謝の気持ちをこめて寄贈し、峯杉所長からはイプシロンロケットのフォトパネルがプレゼントされました。
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