袴を着て日本刀(居合刀)や舞扇を使い、詩吟に合わせて踊る吟詠剣詩舞の発表が2月14日、肝付町の高山やぶさめ館の多目的ホールで開催されました。
この剣詩舞発表会は、高山高校の前身、高山高等女学校の卒業生である松永刀雲さんが剣詩舞を鹿児島県にも根付かせようと企画したもので、現在指導している神奈川県の柏木学園高等学校の生徒とともに、肝付町にゆかりのある神武天皇や薬丸野太刀自顕流などをテーマにした剣舞を披露しました。
高校生による「白虎隊」の剣舞
この日の演目は白虎隊や川中島、城山、神武東征など八つあり、なかには生で詩吟を吟じる生吟での剣舞や、詩吟の詩を毛筆でしたためる書道吟などもあり、訪れた約60名の来場者は、朗々とした詩吟と流れるような剣舞や書を楽しみました。
松永さんによる「本能寺」
華麗な舞で魅了する「日本刀を詠ず」
最終演目の神武東征は柏木学園の生徒が担当し、東征の様子を華やかな衣装に身を包んで演じました。また肝付町にゆかりがある物語とあって、ナレーションを高山高校の代表が担当するなどして演目を盛り上げました。
華やかな衣装で演じられた神武東征
発表後に行われた記念撮影
吟詠剣詩舞を初めて見たという町内から参加した山川レイ子さんは「身が引き締まりました。この伝統芸能を若い世代の受け継いでもらいたいと強く感じました」と、伝統を後世に伝えることの大切さを改めて感じたと話してくれました。
また、この日の発表を企画した松永さんは「もともと鹿児島県は剣詩舞が盛んな地でしたが、今は学校の部活として活動している高校はほとんどありません。この日本の文化を鹿児島県に蘇らせたいとの思いから多くの方の協力を得て、発表が実現しました。どういうものか、見てもらわないことには始まりませんので、こういう機会を設けられてよかったです」と話し、今回の剣詩舞発表会がきっかけとなり、県内の高校の中から一校でも剣詩舞を部活に取り入れてほしいとの希望を述べました。
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