肝付町高山地区にある日高家の武家門修復をきっかけに地域の歴史について語り合う場をつくろうと、古瀬徹さんとマルさん(旧姓:日高)夫妻の呼びかけで始まった肝付歴史茶話会が2月15日に開かれ、町内外の歴史愛好家10名が参加しました。
5回目となる今回は塚崎古墳群をテーマに肝付町文化財保護審議会会長の海ケ倉善通(かいがくら よしかず)さんの解説で古墳や町立歴史民俗資料館を見学しました。
まず資料館の前に集まった参加者は、前方後円墳や円墳などこれまでに44基見つかっていることなど塚崎古墳群について海ケ倉さんからおおまかな説明を受けた後、県道539号のすぐ横にある前方後円墳を訪れ、実際に古墳の大きさや形を確かめながら、初期につくられた前方後円墳は前方部が後円部に比べて高さが低いことやかつて古墳の表面は葺石(ふきいし)で覆われていたことなどの解説に熱心に耳を傾けました。
前方後円墳(11号墳)で解説する海ケ倉さん(右)
続いて、比較的最近発見された前方後円墳などを見学してから同資料館に移動し、塚崎古墳群から発掘された出土品や鹿児島県内における古墳の分布などについて学びました。
海ケ倉さんは、2つの須恵器(すえき)が同じ古墳内から発掘された事例を取り上げ、須恵器のひとつは愛媛県伊予市で、もうひとつは大阪府堺市で焼かれたものであり、当時広い範囲で交流があったことや5世紀頃に朝鮮半島からわたってきた陶工によって窯を使って高温で焼く須恵器がつくられ始めたことなどを解説、さらに展示されている出土品を実際に見ながら、土器の変遷や埋葬方法について説明しました。
出土品に興味深そうに見入る参加者
参加者は「これはどこで出土したのですか」などの質問をまじえながら興味深そうに展示物に見入っていました。
今回初めて参加した河俣栄子さんは「古墳の実態を知ると、昔のことを想像できてロマンがありますね。もっと古墳について知りたいです。また、郷土についてもっと多くの町民の方が関心をもって、昔のことを語る人が増えればよいと思いました」と語り、肝付町の歴史ファンが増えることを願っていました。
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