2月21日から25日の5日間、岸良地区の民家を使って「あるプロジェクト」が実施されました。
そのプロジェクトとは、肝付町移住促進支援事業「きやんせ」の一環となるもので、地域に眠っている空き家を活用し、そこを改修して滞在型の宿泊施設兼地域住民のコミュニティースペースにするというものです。
今回の岸良でのプロジェクトは川上地区に続く第2弾。ゲスト建築家として日髙仁さん、日髙さんの事務所スタッフのマウリツィオ・デヴィージさん、外部ボランティアスタッフとして第一工業大学の学生4名が加わり、地域住民と一緒になって昭和22年に建てられた木造平屋建て民家の改修に挑みました。
今回の改修プランを担当した日髙さんは東京大学で非常勤講師を務め、全国各地で空き家再生の実績があります。日髙さんによると、今回は主に外観の改修をメインとし、家の屋根や壁だけでなく庭を含めて手を加えることにしたそうです。
「(地域の人たちが)あそこは黒く塗ったほうがいいのではないかなど、いろいろなことを考えて提案してくれるのが面白いですね。本職の大工さんが手伝いに来てくれたり、知り合いから必要な機械を借りて来たりと、地元の方たちがどうすればいいか考えて動いてくれました。こちらの方はなんでもできる方が多くて驚きました」
おかげで「5日分の仕事が3日で片付きました」と予定より作業がはかどったようです。日髙さんは、またぜひ訪れたいと今後の改修にも意欲的な様子でした。
以前、川上地区のプロジェクトにも参加した第一工業大学建築デザイン学科3年生の山下啓輔さんは、「地元の方たちに温かく迎えていただき、一緒に活動することができました。自分たちも地域に貢献できたらうれしいですし、地元の人にも喜んでもらえて、お互いにメリットがあったのではないかと思います。今後、みんなが集まる場所になることを期待しています」と話してくれました。
また、岸良地域づくり協議会の竹中一信会長は「タンカンの収穫時期に重なってしまいましたが、多くの住民が参加してくれました。地域の元気づけにもなったのではないでしょうか。今後、芸術文化交流の拠点としていろいろな活用法を考えていきたいです」と楽しみにしているようでした。
なお、最終日の25日には完成報告会を兼ねた懇親会も開かれ、プロジェクトにかかわった日髙さんたちと地域の人々が労をねぎらい合いました。
それでは、一部ではありますが、改修の様子を写真でご覧いただくことにしましょう。
ちょうど中日の2月23日、大工さんを含めた地域の住民が集まっています
出入口の上に新たにつくられた屋根。古い瓦を再利用します
外壁にはる杉板をバーナーであぶっています
壁の長さを測っているところです
バーナーであぶった杉板を壁の長さに合わせて切ります
家の周りも藪をはらったり、庭木を移植したりして手を加えていきます
視界が開けて立派なアコウの木が見えるようになりました
出入口にはお年寄りが出入りしやすいよう階段がつくられています
地域の人たちが集まってきました
建築家の日髙さん(右)とマウリツィオさんで記念撮影です
完成報告会であいさつする竹中協議会長
報告会のあとは交流会です
ボランティアで手伝ってくれた学生さんたち
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