肝付町では昨年度から「緑のふるさと協力隊」と呼ばれるプログラムに都市部から参加する若者を受け入れていますが、同プログラムの2期生として肝付町に移住してきた大島直之さんがこのたび任期満了を迎えることになり、その集大成となる活動報告会が3月1日、肝付町基幹集落センター岸良会館で開催されました。
この「緑のふるさと協力隊」とは東京に本部を置くNPO法人「地球緑化センター」が主催しているもので、都市圏の若者たちが1年間、農山漁村に移り住み、さまざまな活動に取り組み、その地域の魅力を掘り起こすプログラムです。
岸良会館で行われた報告会
昨春大学を卒業し、本プログラムに参加して昨年4月、東京日野市から肝付町岸良地区に赴任してきた大島さん。岸良地区を中心に町内各地から約60名が参加して行われた活動報告会では、はじめにスライドショーで1年間の活動を紹介しながら、時折、移り住んでから覚えた鹿児島弁を交えて話し、参加者の笑いを誘っていました。
報告の中で大島さんは、朝早く起きて漁を手伝ったことや銀河マラソンで10キロ走った後に畑の手伝いをしたこと、そして歩いて地域を回ることで今まで目に止まらなかったことに気づけたことに加えて、ウミガメの産卵や子どもたちとの交流などすべての体験が印象に残っていると感慨深げに話し、「この魅力を将来に残したい」と1年間滞在した岸良に対する「地域愛」を熱く語りました。
農家のお手伝いをしたときの一枚
また、人が自然と集まる地域のガソリンスタンドをなんとか残したいとの思いから、そのためにはガソリンスタンドと併設する形で道の駅をつくるのがよいのではないか、との具体的な地域活性化案も披露されました。
同案について大島さんは、「地元の高齢者にお茶をだしてもらうことで、外からのお客さんとの交流が生まれ、観光案内所としての役割も担えます。ゆくゆくは農産物の販売や岸良の食材を使用した弁当の販売を始めたいです。運営費はガソリン代にお茶代を少し上乗せしたものでまかない、軌道に乗れば、そこから派生するさまざまな分野で雇用が生まれ、岸良地区を離れた若者が戻ってくるのではないでしょうか」と説明しました。
活動報告をする大島さん
最後に大島さんは「いろんな人のおかげで、この1年間を歩んでこられました。この1年間は僕の一生の宝物です。いろんなことがあって泣いたこともありましたが、それ以上にたくさん笑って、心豊かに生きることができました。この1年間、ほんとに幸せでした。僕は岸良が大好きです。支えてくださったすべての方に心から感謝します」とあいさつしました。
岸良地区東振興会の戸柱孜会長は「彼は、爽やかで元気、そして真面目な青年でした。自ら進んで岸良の言葉をマスターして、この地にどっぷりつかっていました。それがとてもうれしかったですね。彼がまた将来戻ってきてくれたらと願っています」と、話していました。
ハンヤ踊りで交流
活動報告後は、歌や踊りのレクレーションや手づくりのお菓子や漬物を持ち寄ってのお茶会もあり、来場者は大島さんとの最後の交流を楽しんでいました。
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