【きもつき情報局】認知症を学んで安心のまちづくり

認知症の人が行方不明になったという設定で、いざというときに地域で声をかけあい支え合えるように練習する「徘徊模擬訓練in新富」が3月16日、肝付町の高山小学校体育館で開催されました。
 
同訓練は、肝付町と町社会福祉協議会が認知症になっても安心して住めるまちづくりを目指して毎年行っているもので、5回目となる今回は地域住民やSAT(サタ)ボラクラブ(町内の中高生によるボランティアグループ)メンバーなど、およそ90名が参加しました。
 
訓練を始める前に、認知症を理解してもらうことを目的に活動しているキャラバンメイト「はやぶさオレンジサポーターズ」が寸劇を行い、認知症の人にどのように対応すればよいか、ごみ出しや買い物といった身近な事例を取り上げて、わかりやすく説明しました。
 
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認知症の人への対応を説明する寸劇
 
また、肝付警察署の協力で、認知症の人がいなくなった場合の捜索依頼の手続きについて一連の流れを寸劇で紹介。警察署では、対象者の服装や身体的特徴に関する質問などに時間がかかるため、なるべく早く連絡するよう呼びかけました。
 
訓練では、参加者は10グループに分かれて7名の徘徊役を新富地区の12集落のエリアで約1時間かけて捜索しました。参加者は通行人への広報活動やアンケートを行いながら歩いて徘徊役を探し、見つけると声をかけて名前などを聞き出して、担当者に連絡しました。
 
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徘徊役(左端)の人に声をかけカードで名前を確認する参加者
 
その後、ボランティアの女性20名が用意した炊き出しの豚汁や保存食「アルファ米」による昼食と高山中学校吹奏楽部による演奏をはさんで意見交換会が開かれ、捜索をした側と徘徊役を務めた側がそれぞれ感想や意見を発表しました。
 
なお、この日は池之園集落でも実際に消防団や警察署と協力して捜索願いの一連の手続きを学ぶ訓練を行っており、意見交換会では、訓練に参加した池之園集落の住民とビデオ通話で、それぞれの感想を聞き合うこともしました。
 
訓練に連続5回参加しているという新富地区に住む女性は「今回は事前に情報のない中での捜索だったので、徘徊者なのかそうでないのかがわからず、通行人に迷惑をかけてしまいました。あらためて難しさを感じましたが、声掛けのポイントを教えてもらったのがよかったです」と話しました。
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