肝付町高山地区で伝承される流鏑馬は、約900年の歴史を持つ伝統神事です。毎年中学2年生の少年が射手に選ばれ、1カ月半ほどの訓練を経て、10月の第3日曜の本番に挑みます。
そんな流鏑馬の今年の射手が先ごろ高山中学校2年生の増田啓吾くん(13)に決定し、8月18日に高山流鏑馬保存会のメンバーが池之園集落にある射手宅を訪問して正式な依頼をしました。
今年の射手を務める増田啓吾くん
会長になって初めての流鏑馬を迎える川野淳一会長は、啓吾くんと家族を前にして「今年の射手として頑張ってください」とあいさつし、これを受けた啓吾くんが「ぼくが引き受けます。よろしくお願いします」と力強く返事をしました。
啓吾くんは3人兄弟の長男で、中学では空手部に所属しています。部活に没頭する毎日で、これまで流鏑馬に対して自分には関係のないことだと思っていたそうです。
そんな時、保存会から話を持ちかけられ、当初はとまどいましたが、家族が全力で支えるからという言葉を聞いて、引き受ける決心がついたといいます。
増田さん一家
父親の清文さんは「射手を務めるという決意は相当なプレッシャーだったと思います。自分の意志でチャンスをものにしました。流鏑馬を通して一皮も二皮もむけてもらえたら親としてこんな嬉しいことはないですね」と啓吾くんの成長に期待し、母親の麻由美さんは「不安はありますが、頑張ってやり遂げてほしいと思います。本人の精神面で支えになり、家族総出でサポートします」と話しました。
射手宅で行わらた祝宴会(中央が川野会長)
また保存会の川野会長は「新体制になって初めての流鏑馬です。何事もメンバーで話し合って進めていき、啓吾くんをバックアップしていきます」と保存会総出でサポートしていくことを確認しました。
流鏑馬の練習は9月5日から町内の旧国鉄線路跡で始まります。
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