【きもつき情報局】観測ロケット打ち上げ成功(2015年)

地球やその他太陽系天体の材料となった微粒子がつくられる初期状態の再現を目的とした観測ロケットS―520-30号機の打ち上げが2015年9月11日、内之浦宇宙空間観測所で行われ、無事打ち上げが成功しました。
 

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打ち上げ前日に公開された観測ロケット
 
現段階では、太陽系天体の材料となる最初の生成粒子として最も有力視されているのがアルミナ(酸化アルミニウム)とされていますが、その生成再生実験が地上ではこれまで成功していません。そのため今回は、ロケットの弾道飛行による微小重力環境を利用して、ロケットに搭載された密閉容器のなかで実験、測定し、最初に核生成する物質がアルミナであると特定することを目的としています。
 
 

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観測所のランチャーから打ち上げられたロケット
 
全長8.5メートルの観測ロケット、S―520-30号機の打ち上げは、観測所関係者や一般見学者が見守る中、予定通り午後8時に打ち上げられました。
 
轟音を響かせ、夜空に向かって突き進む観測ロケットの姿が見えなくなるまで見送っていた霧島市から訪れた國師昭子さんは「初めて打ち上げを見学しました。思っていた以上に音が大きくて迫力がありました。また打ち上げの時には見にきたいです」と話していました。
 
今回の実験では、2020年代に「はやぶさ2」が回収する予定の炭素を含んだ小惑星試料や、次世代赤外線天文衛星「SPICA」などによる観測データの解釈の根拠となる実測データが取得される予定です。
 
実験の結果は夜半過ぎに発表されます。
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