肝付町で10月18日に行われる流鏑馬神事を目前に控え、今年の射手の増田啓吾くんと高山流鏑馬保存会メンバーは四十九所神社前の参道で、本番さながらの練習に励んでいます。
馬上から矢を放つ啓吾くん
今年の流鏑馬は保存会役員を変更し新体制で迎える初めての神事です。どのメンバーも気合十分で9月5日の初練習に臨みました。ところが、練習3日目に思わぬアクシデントが発生しました。啓吾くんが落馬し足を骨折するという事故に見舞われたのです。
出鼻をくじかれる形になった練習の初期段階。それでも、足にギブスをはめたまま啓吾くんは、昨年の射手で今年の後射手を務める川野雅くんが騎乗する姿を見ながら、上半身の筋力トレーニングと的射などの練習をこなしました。
筋トレで上半身を鍛える啓吾くん
実際に馬に乗って練習できないことから、関係者の間で不安の声も広がり、他の射手を新たに募集するかもしれないという話もあったたそうです。
しかし、啓吾くんはあきらめず筋力トレーニングを続けました。そして3週間ほどでギブスを外すことができました。大役を務めあげたいという本人の想いが伝わったのでしょうか。
保存会メンバーからアドバイスを受ける
3週間のブランクは大きいものです。的射の練習をしていたといっても、馬上から矢を射ることはまた条件が違います。的に命中する確率が高いとは言えません。「当日は的に当たらなくてもいいから、何事もなく無事に終わることを祈るばかりです」と話す関係者。当の啓吾くんはそんな悲観的な声をものともせず、一本でも多く命中できるようにと、日々の練習に取り組んでいます。
そんな啓吾くんを助けようとさまざまな角度からアドバイスをする保存会メンバー。そして、連日の綱持ちを協力してくれる学校の仲間や地域住民。多くの人が射手を支えています。10月11日に開催された「合併10周年記念 第11回体力づくり町民運動会」では、やぶさめパレードを行い、町民に今年の射手として披露され、温かい拍手を送られました。
町民運動会で凛々しい姿を披露
啓吾くんは「約一カ月半の練習期間を振り返って、いい意味でとても長く感じました。それは毎日が充実していたということだと思います。本番当日は、いつもの練習通りに力を発揮して、無事に流鏑馬を奉納したいと思います」と話します。本番まで残りわずか、無事に流鏑馬を奉納し、大衆の前を堂々と行進する姿をぜひ見たいものです。
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