あけましておめでとうございます。
本年も、きもつき情報局をよろしくお願いいたします。
さて、今年は申年です。
肝付町の人々はよく猿のことを「山の兄やん」と呼びます。内之浦町史には「山で働く人々は朝のうち猿という言葉を聞くと決して山に行かない」と紹介されていますので、「猿」と聞かないようにするためにこう呼んでいるのかもしれませんね。
こうした昔からの風習や伝説が肝付町にはほかにもたくさんありますが、今回は、初詣にちなんで(?)神様にまつわる伝説の一部を紹介します。
※【】は地(区)名
【有明(乙子大明神)】波見の有明地区の海岸に蛭子命が漂着したという伝説がある。
【天八岐(あめのやちまた)】…高山川上流の地、二俣は天八岐ともいって、天孫降臨の際に猿田彦神が出迎えた場所といわれている。
【岩屋(川上地区)】大山祇神・磐長姫・木花之開耶姫の住居であり、かつて岩屋の社前には日本の大木が組み合わさって鳥居をなし、境内には大楠があったと伝わっている。
【国見岳(高屋山)】彦火火出見尊の山上陵があると伝わる。
【平後園(畝傍神社)】四十九所神社の浜下りの際、帰りに平後園にある畝傍(うね)神社の前を通過するときは太鼓を打ち鳴らしてはいけない。まつられている泣沢媛命(地元で泣き神さあと呼ばれている)が別れがつらくて泣かれるからだという。
【小串の火出崎】広い岩礁があり、海幸・山幸神話の彦火火出見尊が海宮に旅立たれたところといわれている。
そのほか、山の神様にまつわる伝承がいろいろあります。山に出かけて谷川で山草履を洗うと山の神様が怒る、旧正月の二十日は山に住んでいる神様たちが谷川に集まって洗濯をするなどといったものです。今よりも山が深かった昔は、山の神様は身近な存在だったのでしょう。
こうした伝説は、国見岳の山上稜については、よく知られていますが、ほかは町民にもあまり知られていないのではないでしょうか。
近くを通られるときには、伝説を思い出しながら風景を眺めると、また少し違って感じられるかもしれません。
※これらの伝説の出典元は「高山郷土誌」「内之浦町史」です。
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