【きもつき情報局】親子2代 地元食材にこだわって

鹿児島県の郷土菓子といえば、芋団子やけせん団子、ふくれ菓子など様々な種類があります。かつてはそれぞれの家庭でつくられていたものばかりですが、現在ではあまりつくられなくなりました。
 
そんな昔なつかしの味を今なお手づくりで提供しているお店が県道542号・高山-岸良線の沿線にある「ひまわり工房」です。店を切り盛りするのは、下茂京子さんと長男の良太朗さん親子。今年9月で開店6年になります。
 

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 今年9月で開店6年となるひまわり工房
 
実はこのひまわり工房、以前は弁当屋として営業していました。なかなかの評判だったのですが材料の物価上昇を受けて、6年前に業種を変えたといいます。当時業種の変更に不安を抱えていた良太朗さんは「お客さんから弁当屋のほうが良かったと聞くたびにほんとにこれでよかったのか心配になりました。そんな中、他のお客さんが手づくりの加工食品を美味しいと言ってくれました。その一言で母を信じてやってきてよかったと思えるようになりました」と話します。
 

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お店を切り盛りする下茂さん親子
 
長期保存を可能にした真空パック
 
お店に並べられる商品は味噌、漬物、郷土菓子、洋菓子など。それらは店主の京子さんが地産地消や食育などの普及に取り組んでいる肝属地区生活研究グループ高山支部で活動していた時期に学んだものばかりです。
 

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 手づくりのお菓子がずらりと並ぶ店内
 
他にも季節ものとして、タケノコの水煮、ツワブキの佃煮など町内の旬の食材を使った加工品もあります。特にタケノコの水煮は学校給食に提供するほど人気を集めている商品です。水煮を真空パックにすることで長期間の保存が可能となり、年間を通じて供給するシステムをつくりました。
 

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たけのこの水煮は大きな釜でいっきに茹で上げる
 
この水煮に使用されるタケノコは孟宗竹を中心に加工していています。肝付町に約135ヘクタールある手つかずの竹林を活用しようと、町が講習会などを企画しタケノコ生産者を育成したので、安定的に仕入れができます。ひまわり工房は町の産物を使用した商品を扱う地産地消の店舗でもあるのです。
 
 
毎日を楽しみながら
 
また、通りに面したお店の駐車場には無人販売ブースが設置してあります。ここでは自家菜園でとれた野菜などを販売しています。なかでも梅の袋売りはあっという間に完売するほど人気があるそうです。
 
このように加工品製造販売や農産物の直売を息子とともに手がける京子さん。「これからは実家の畑で育てた柑橘類を使用した新商品を開発して、スイーツ類を充実させていきたいですね」と目標を掲げます。
 

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郷土菓子の他洋菓子も取り扱う
 
また、新商品開発への新たなチャレンジに意欲を注げるのも仕事が楽しいからだと言います。「お弁当屋さんをしていた頃は、時間的に余裕のない毎日を送っていて毎日がヘトヘトでした。加工食品は作り置きができるので、今はゆっくりと楽しく仕事ができています。商品の材料を畑で育てられる時間がつくれたのも業種替えしたおかげです」と話します。
 

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加工場での仕込み作業
 

手づくりにこだわった加工食品を提供する「ひまわり工房」。真夏に咲き誇るひまわりのように、明るい笑顔で下茂さん親子が迎えてくれる田舎のお店です。< /div>

 
【店名】ひまわり工房
【住所】肝付町前田191-2
【電話番号】0994-65-0459
【営業時間】8:00~18:00
【定休日】日曜日
【主な商品】いも団子(100円)、ふくれ(220円)、けせん団子4コ入り(220円)、マドレーヌ(50円)、ゆべし(100円)、あくまき(270円)、つわぶきの佃煮(200円)、たけのこ水煮200g(240円)、たけのこ水煮瓶詰め(450円)、味噌5キロ(1900円)、梅干し1キロ(1000円)
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