【きもつき情報局】懐かしの味再現! テルさんの「こめんだんご」

米粉(だんご粉)に豆腐、サツマイモやニラといった野菜、卵などを混ぜて揚げた「こめんだんご(米のだんご)」または「ガネんだんご」(※「こめんこの天ぷら」という地域もあり、呼び名はさまざまなようです)。
かつて、葬式が各家で行われていたときに地域の女性たちが手分けしてつくっていた精進料理のひとつです。
 
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こめんだんごは鹿児島の郷土料理「ガネ(かきあげ)」の粉が多いバージョン?!
肉や魚のかわりになるものとして、手のひらサイズくらいの大きめの小判型につくっていたといいます。中にいれる材料や作り方は地域によって違いがあるようです。
 
今では、なかなかつくる機会もなくなった、この「こめんだんご」を、7月13日、肝付町岸良のデイサービス岸良でつくってみることになりました。
 
作り方を教えてくれたのは、長年、精進料理づくりの場で、こめんだんごを担当していた、施設利用者のひとり、宮薗テルさん(90歳)。
 
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だんごを揚げるテルさん
 
デイサービスで葬式について話題になったとき、スタッフのひとりが「あのだんごを食べたい」と何気なくいっていたところ、テルさんが家でつくって持って来てくれたそうです。
 
そのときに不在だったために食べられなかったスタッフが残念がったり、テルさん自身が「この味は違う」と納得がいかなかったりしたことから、「それじゃあ、みんなでつくってみよう!」と、だんごづくりをすることになりました。
 
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利用者とスタッフ総出でだんごづくり
◯「テルさんの『こめんだんご』の作り方」
 
(材料) ※量は長年の経験に基づいているため目分量です!
だんご(米)粉 300~400g程度?
小麦粉(つなぎ) 80g程? 
豆腐 1丁
卵 3個
サツマイモ 大2個
ニラ
ニンジン
ゴボウ
生姜
 
(調味料)
白砂糖
ザラメ(少々。なくてもよい)
味の素
 
(作り方)
①サツマイモは皮をむき、適当な大きさに切ってゆでる。火が通ったら、塊がなくなるまでしっかりつぶし、ビニール袋に入れて塊がないか確認しながらさらに練る。
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このサツマイモは少し多め
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イモはしっかりつぶす!
 
②豆腐はつぶして、しっかり水切りをし、ビニール袋に入れてよくこねておく。
 
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豆腐やイモはしっかりこねるのがコツ!
 
③ゴボウはささがき、ニンジンはやや幅の広い細切り、ニラはざく切りにし、生姜はすりおろす。
テルさんの熟練の包丁さばき!
 
「もっと大きく切らんね!」と指導が…
 
④米粉、小麦粉、塩、砂糖、ザラメ、味の素を混ぜ合わせる。
はじめに粉類と調味料をまんべんなく混ぜるのがポイント
 
⑤豆腐、つぶしたサツマイモ、野菜、生姜、溶き卵を入れて混ぜ合わせる。
様子を見ながらつなぎの小麦粉を追加
 
「豆腐の水切りが足らんかった!」と少々ゆるめ
 
⑥小判型に形を整えて、油であげる。
※浮いてきてから、ひっくり返すのがよく火を通すコツ!
今回は小さめに。火が通りやすいように平べったく!
ゆるめの生地でもちゃんと形をつくれるのが熟練の技?!
色がつくまでしっかり揚げます
火が通っているか確認
できあがり!
揚げたてをみんなで試食して「おいしい」と舌鼓をうち、昼食にも一皿追加されました。みなさん、いつもより食が進んだようです。
 
昼のメニューに追加しておいしくいただきました!
 
今回、初めてだんごを食べた、地域おこし協力隊の田中綾音さんは「ガネとは違って、豆腐などが入っているからか、ふっくらもちもち。からいもの甘さに生姜の香りが加わって、暑い夏にぴったりなおいしさでした」と話し、昔ながらの味を堪能した様子でした。
伝統の祭り・ナゴシドンなどについて昔の話を聞く田中さん
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