【きもつき情報局】海と山つなぐ祭りで人つなぐ

学生時代に緑のふるさと協力隊として1年間を過ごした肝付町岸良のことが忘れられず、卒業後、地域おこし協力隊として着任し、3年目を迎えた田中綾音さん。
 
「自分が好きになった岸良を知ってもらいたい、人を呼びたい」との思いから始めた「ナゴシドンのつなぎ手」事業も今年で3年目となる。
 
ナゴシドン(夏越祭)は平田神社に継承されてきた神舞を岸良海岸で奉納する神事。毎年8月14日に行われている。
 
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神舞の奉納される岸良海岸に立つ田中さん
 
「つなぎ手」事業は、その継承者(舞手)が減り、伝統が途絶えてしまうことを防ぐと同時に、地域外から人を呼び、交流を通して地域活性化をはかろうと、町内外へ舞手と運営サポーターの募集をかけ、祭りの開催を支えるものだ。
 
初年度は町外からの応募が多かったが、次年度は前年の様子を見ていた地元の子どもたちや住民からの応募があった。
 
舞手を務めた子どもたち4名は、今年度も参加を希望。なかには転校先からわざわざ岸良へ「帰って」きて舞手を務める子どもたちもいる。
 
また、昨年の巫女舞(浦安の舞)を見て「来年、やりたい」といっていた姉妹が実際に今年度、舞手を務めることになった。家族や親戚からのすすめもあり、薙刀舞の舞手に手を挙げた地元の若者もいれば、初年度から続けて参加する町外の若者たちもいる。
 
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地元の小学生も参加した十二人剣舞の様子
 
「(地域の伝統を)見直してもらえる機会になればと思っていたので、実際にそうなったのがうれしい」と喜ぶ田中さん。
 
「これもみなさんの協力があってこそ」と、時間を経るごとに町内外へ広がる人の縁に感謝している。
 
「山と海につながる祭りであり、これまでのこと、岸良の歴史を知る機会にもなる。そして、人がかかわりやすい祭りでもあります」
 
舞手やサポーターとして祭りにかかわった人たちが、今後も「ナゴシドンがあるから」と岸良に「帰ってくる」きっかけになればと考える。
 
今年は、より気持ちよく過ごしてほしいと、訪れる人たちがくつろげるスペースを会場周辺に設置することを計画している。雨天時に神舞を行う場所の確保も検討中だ。
 
また、平田神社や地域の関係者らで話し合い、男性のみが舞手を担ってきた神舞に女性も受け入れることに決めた(十二人剣舞は昨年から、薙刀舞は今年から)など、祭り自体の変化もある。
 
「みなさん快くよその人を受け入れ、変化を受け入れてくれていますが、葛藤もあったのではないかと思います。だからこそ、地元の力をうまくまきこんで、よりよいものに、地域にとってもよいことがあるものにできれば」
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辺塚海岸の清掃に取り組む地域おこし協力隊の仲間の影響で
ごみ拾いを意識するようになった
 
田中さんは来年3月末に地域おこし協力隊としての任期を終える。
 
任期終了後も、岸良で暮らし続けることを望んでいるが、今後、「つなぎ手」事業をどのような形で続けていくかも課題となっている。
 
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