地域を活性化すべく、辺塚だいだいの販売・加工品生産を軸に肝付町岸良で活動しているNPO法人「陸の宝島・岸良」。
これまでも果汁やシロップ、味噌といった製品を生産・販売していましたが、今回、新しく「完熟辺塚だいだいマーマレード」が加わりました。
(岸良の「みんな食堂」で販売されたマーマレード[500円]。昨年登場した辺塚だいだいクリーム[※バターと卵を使ってつくるクリーム。「レモンカード」の辺塚だいだい版!]とともに完売!)
「甘味はあるけれどもさっぱりしています。香りを楽しんでもらいたいです」
そう話すのは、地域おこし協力隊の梶原和貴さん。2018年1月から、陸の宝島のメンバーとして活動しています。
(辺塚だいだいを収穫する梶原さん)
「実は、収穫した辺塚だいだいの完熟度で甘さが変わってくるんです。手づくりということで、その違いも楽しんでいただければ」
昨年、商品に加わったクリームとともに、パンやクラッカーにつけて味わってもらえればと話します。ちなみに、クリームはクラッカー、マーマレードはパンの組み合わせが人気なのだそう。
現在、インターネット上での通信販売のほか、鹿屋市の「KITADA SARUGGA」店頭で販売しています。また、今回、商品の使い方を案内する小さな冊子や辺塚だいだいの紹介動画も作成されました。
(陸の宝島の商品開発アドバイザーをしている杉水流直子さん[Table of smile代表]が2019年3月13日に開催された肝付町異業種交流サロンで取り組みを紹介。試食ブースも好評でした)
これらの加工品は、旧岸良小学校の校舎でつくられています。岸良小学校は2017年4月から小中一貫教育校となり、岸良中学校へ「引っ越し」となったのです。
玄関から建物の中に入ると、まず元職員室だったという「選果場」があります。岸良のあちらこちらで収穫された辺塚だいだいが運び込まれ、大きさを分ける選果機にかけられます。
(旧岸良小学校校舎と選果場)
商品がつくられる加工場は元理科室で、今も「理科室らしさ」が残っています。
加工作業を担当するのは地元の女性たち。週に3日ほど、60代を中心に30代から70代の女性たちが交代で5~6名が出勤して、手分けして作業に励みます。
(加工場の様子。「高さが足りない!」と椅子は脚を継ぎ足されて利用されています)
それでは、実際の作業の一部を御覧ください。
【収穫】
(収穫風景。辺塚だいだいの木はあまり高くならないように剪定されています。収穫は果皮の青々とした9月に始まります。12月頃になると黄色くなり、香りがやや弱くなりますが、その分甘味が強くなります)
【搾汁】
(収穫後、選別された辺塚だいだいは加工場に運び込まれ、水洗いされます。水気を拭き取ってから、いよいよ加工開始!)
(皮の傷がついたところなどを丁寧に切り取って、切っていきます。この作業中、さわやかな香りが加工場いっぱいに広がります!)
(搾汁開始。2回、圧力をかけて搾ります。機械を使っているとはいえ、重しをのせるのは手作業なので、「夕方になると腕が震えてかなわなくなるよ」とのこと)
(搾った果汁は一旦、保存用タンクに。10kgちょうどに合わせるのがなかなか難しいとのこと! なるべく種のかけらなどが入らないように注意しながら注いでいきます)
【果汁シロップの瓶詰め】
(まずは瓶を煮沸消毒!)
(低温殺菌した果汁シロップを慎重に瓶詰め開始! 瓶詰めしたら水につけて冷まします)
(種などの混入がないか、しっかりチェック!)
(シール貼りは斜めにならないように慎重に。貼り付け作業しながら、目視でもう一度中身のチェック。最後に賞味期限のシールを底に貼ります)
(ようやく商品完成!)
手間ひまかけて丁寧につくられている商品をみなさんもぜひ味わってみてくださいね。
※陸の宝島・岸良のホームページはこちら。
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