肝付町・四十九所神社に伝わる高山流鏑馬。
毎年、少年(中学2年生)が射手を務める全国的にも珍しい形式で、射手に化粧を施すなど公家の行っていた神事としての流鏑馬の特徴を色濃く残しています。
今年(2019年)の高山流鏑馬は10月20日。
本番に向けての安全祈願祭と初練習が、9月2日、旧国鉄線路跡(旧大隅線跡)で行われ、射手の中野紅(こう)くんをはじめ父親の雅仁さん、後射手の大園悠馬くん、川野淳一高山流鏑馬保存会長、永野和行町長ら関係者が集い、玉串を奉納して安全を願いました。
[右から2番目、3番目])
神事後には、先頭に「しおまき(※)」をする父親たち、騎乗した射手、その後に徒歩で後射手が続く形で、四十九所神社前の馬場と同じくらいの距離を往復する練習が行われました。
※場を清めるために真砂をまく。
(しおまきを射手の父親は後射手の父親から教わります)
「緊張しているけれど、楽しみでもあります」という紅くん。後射手や保存会会員からのアドバイスを受けながら、旧国鉄線路跡での練習を終えました。
「夏休みに何回か乗っていましたが、(初練習では)少し暴れたので怖かったです。仲良くなったほうが馬も安心して走れると思うので、馬たちとも仲良くしたいです」
(練習にのぞむ紅くん)
後射手の悠馬くんは「(去年の後射手の)増田蓮くんから自分が教えてもらったことや、矢を(腰に背負ったえびらから)抜くときにからまって抜けなかったなどの自分の経験を伝えていきたい」と射手のサポート役としての心構えを語ってくれました。
(玉串を捧げて祈る後射手の悠馬くん)
また、この神事と練習には、射手を乗せる馬2頭も参加しました。神馬として本番で乗せるのはどちらか1頭になりますが、練習では交代で射手を乗せ、またパレードなどでは2頭それぞれ射手と後射手を乗せることもあります。
この2頭、「流星」号と「みらい」号は大きさこそ違いますが、見た目はよく似ています。馬主の釘田善人さんによると「2頭とも割とおとなしく、落ち着きがある。食欲もあって調子がいい」といいます。
(3歳の流星[左奥]550kg、みらいは280kgくらい。
みらいのほうが少し毛の色が濃い)
昨年11月に熊本からやって来たばかりの新馬、みらい号は人の指示に対する反応がいいそうで、走り出しもよく、将来は大きくなりそうとのこと。
射手も馬も、今後の成長が楽しみです。
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