小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡的な地球帰還を記念して制定された「はやぶさの日」の6月13日、肝付町観光協会と町産業創出課が町文化センターにおいて「食のまちおこし会議」を開催しました。
会議では8月22日(27日に延期)に予定されているイプシロンロケット打ち上げに合わせた弁当プロジェクトと年間を通した食のイベントプロジェクトについての提案や弁当などの試食があり、観光協会会員や関係者らおよそ20人が参加しました。
町文化センターで開催された食のまちおこし会議
まず初めに白坂直道会長があいさつし、「『肝付町に来ても食べるところがないよね』といわれないように、ロケットの打ち上げややぶさめ祭などに合わせて、地産地消をコンセプトに手づくりで安心な地元の名物をつくり、人を呼び込み、地元で頑張っているお店を知ってもらいたい」とイベント企画の目的を説明しました。
続いて町産業創出課の渡會実班長が弁当プロジェクトの経緯について、旅行業者や旅行者から「見どころはたくさんあるが、食事をするところがない」、「肝付町ならではのものを食べたい」といった声が上がっていることを紹介し、その要望にこたえるべく、また、ロケット打ち上げ時に訪れる見学者に食事を提供できるよう、地元食材を使用した弁当開発が計画されたことを説明しました。
イプシロンの里弁当(上)とイプシロン弁当(中央、左)、開発中のはやぶさ丼(右)
同プロジェクトのなかで、今年のイプシロン打ち上げ時までに提供できるように準備されているのは「イプシロンの里弁当」(予定価格1050円)と「イプシロン弁当」(予定価格630円)の2種類です。
「イプシロンの里弁当」は鹿児島の郷土料理「ねったぼ(サツマイモの餅)」を揚げたものをはじめ、すべて町内の食材を使っており、地域の特産品開発を行なっている岸良おとめ工房が考案しました。
一方「イプシロン弁当」は白坂会長がレシピを考え、酢飯に辺塚ダイダイの果汁を使い、肝付町で開発されたキャンピードレッシングを天ぷらに添えるなどして地元の食材を使っただけでなく、低コスト・高性能化を目指すイプシロンにちなみ、エコをイメージして包装に新聞紙を使うなど工夫を凝らしています。
会議ではそのほか、統一レシピを使って町内の参加各店舗がこの2種類の弁当をつくること、観光協会が注文を受けて、弁当の受け渡しを行う窓口となることなどが提案されました。
さらに、現在、開発中の豚肉と里芋を組み合わせたカツ丼「はやぶさ丼(仮称)」や「食の宝庫をPRしよう」と、大隅半島の4市5町でそれぞれ地元の素材を使った名物弁当をつくる大隅よか弁プロジェクトとして開発された、キダカ(ウツボ)を使った「コラーゲンたっぷり弁当」などの紹介もありました。
はやぶさ丼の試食を準備する白坂会長(右)
町観光協会からは、従来の4月から9月にかけて開かれている「春のえっがね丼まつり」「海鮮まつり」「内之浦えっがね祭り」に加え、新たに10月のやぶさめ祭に合わせた「食のやぶさめ祭り」を、冬場には「肝付なべまつり」を開催し、年間を通じての「食のイベント」を開催することで店と町のPRをしてはどうかという提案がなされました。
その後、「はやぶさ弁当」や「やぶさめ丼」の試食が行われ、参加者は「これは何が使われているの」「天ぷらにもキャンピードレッシングが合うとは知らなかった」などと興味深そうに食材をチェックしながら、試食品を味わい、アンケートに答えていました。
試食をする参加者
参加した肝付町新富の「くにみの里」の下原口レイ子さんは「ロケット打ち上げの見学の際には食べるところがなかなか確保できませんし、すべての食材がきもつき産というお弁当はいいですね。丼ぶりも、カツ丼はお年寄りにはどうかなと思ったのですが、試食してみたら里芋がよく豚肉に合っていて食べやすかったので、年配の方にも喜んでもらえると思います」と語り、イベントへの参加に意欲を見せていました。
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