【情報局】伝統をつなぐ―今年の射手は橋口晋賀くん

肝付町高山地区で約900年続いている高山流鏑馬は、毎年中学2年生の少年が射手に選ばれ、1カ月半ほどの訓練を経て、10月第3日曜の本番に挑む伝統神事です。

今年は新型コロナウイルス流行のため、平日(19日)奉納や同日に合わせて行われるイベントが中止になるなど、例年とは違うかたちで開催されます。
※本来は曜日に関係なく10月19日の例大祭に開催されていました。

そのような今年の高山流鏑馬の射手が先ごろ、高山中学校2年の橋口晋賀くんに決定し、8月9日に高山流鏑馬保存会のメンバーが正式依頼のため肝付町新富の射手宅を訪れました。

乾杯で射手決定を祝う

晋賀くんは高校生の姉と小学生の弟の3人姉弟で学校では陸上部で汗を流すスポーツ少年。射手へのあこがれを小学生のころから抱き、自分で綾藺笠(あやいがさ)をまねて作るほど夢中になっていたそうです。

射手が本番の時にかぶる綾藺笠

父親の晋也さんと母親の美由紀さんは「今年はコロナ禍の影響で奉納が中止になる可能性がある特別な年。練習しても表舞台で披露できないかもしれません。それでも本人のやりたいという強い意志を尊重し、全面的に協力していきます」と、家族総出でのサポート体制を確認しました。

「実は動物が大の苦手なのです」と打ち明ける晋賀くん。馬とのふれあいをすでに始めていて、少し慣れてきたといいます。「不安は多少ありますが、今はそれ以上に頑張ろう、奉納が中止になっても来年の後射手として伝統をつなげようという気持ちでいっぱいです」と、意欲をみなぎらせていました。

左から川野会長、晋賀くん、父親の晋也さん

高山流鏑馬保存会の川野淳一会長は「今年は開催の有無をどうするか迷いましたが、流鏑馬の奉納に悪疫退散という意味があるからこそ神事を執り行うべきだという思いが保存会、四十九所神社ともに一致しました。コロナ対策もしっかりと考えて進めていきます」と、表情を引き締めました。

このまま町内で新型コロナウイルスの感染が確認されなければ、9月4日が旧国鉄線路跡での練習始めとなります。

 

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