【情報局】岸良小・中学校が閉校 新たな歴史へ

雨上がりで晴れ間が広がった3月25日、岸良小・中学校の閉校式が同校体育館で行われました。児童生徒や保護者、地域住民が見守るなか、その長い歴史に幕を降ろしました。

4月より義務教育学校「岸良学園」が新設され、新たな1ページが始まります。義務教育学校とは、小学校課程から中学校課程までの義務教育を一貫して行う学校で、児童生徒の理解や個々に応じた指導をしやすくなります。
人口減少に伴い学校の存続が危ぶまれるなか、よりよい教育や学校運営ができることを利点ととらえ、岸良学園新設が決定されました。

閉校式の会次第に印刷された昔の写真

岸良小学校の始まりは、明治9(1876)年に村の有志によって学校が創設されたことです。公立の小学校になったのは明治11(1878)年頃のことで、当時は内之浦小学校の分校でした。その後、岸良尋常小学校、岸良尋常高等小学校、岸良国民学校を経て、昭和22(1947)年に岸良小学校と改称されます。

岸良中学校は昭和22(1947)年に、岸良小学校内に開校しました。現在の場所に校舎が移転したのは、昭和25(1950)年のことです。

※岸良小・中学校の歴史は「内之浦町誌」(平成15年3月1日発行)を参照しました。

平成29(2017)年には施設一体型小中一貫教育校となり、岸良小学校の機能は岸良中学校に移されました。

歴代の卒業アルバムを懐かしそうに眺める参列者

会場には、これまでの卒業アルバムが並べられていました。来場した保護者や地域住民は、白黒写真のアルバムをめくりながら子どもや友人、先生を探していました。

PTA会長あいさつで安田正一さんは、「『学校はあるものではなく、つくりつづけるもの』という思いのもと、多くの人の尽力により続いてきた学校です。岸良の学校でよかったと皆さんに思ってもらえるように、これからも努めてまいります」と語りました。

また、中学2年の安田空正さんは児童生徒を代表し、「岸良小・中学校で培った『全員力』で、岸良学園としての一歩を踏み出します」とあいさつしました。

児童生徒を代表してあいさつする安田空正さん

閉校にあたって、岸良小・中学校の校章と校歌はその役目を終えます。そこでこの日は、従来の校旗が肝付町へ返納されました。

生徒から校長へ手渡される校旗

そして校長から町長へ返納されます

続いて、岸良小・中学校の校歌斉唱です。それぞれの歌詞の1番から3番までを、会場の全員で歌い納めました。

岸良小・中学校の校歌を歌う児童生徒と参列者たち

校旗返納と校歌斉唱ののち、町長が閉校宣言をしました。これをもって岸良小・中学校の歴史に幕が降ろされました。

閉校宣言をする町長

地域住民の戸柱孜さんは、岸良の老人クラブ「岸良寿ひまわり会」として学校と交流してきました。「閉校については寂しい気持ちもあるけれど、学園として続いていく。これからも子どもたちを見守りつつ、仲良くしてもらったり元気をもらったりしたいです」と話しました。

岸良中学校を昭和48年に卒業した門口悦子さんは、「会場で椅子に座っただけで涙が出ました。けれど子どもたちの未来を考えれば、学園として学校が残ることをありがたく思います」と話していました。

役割を終えた校旗

取り外された岸良中学校の校章

岸良学園としての最初の行事は4月6日の入学式です。学園が新たに開校するということで、計16名の全児童生徒を対象に行われます。その後、4月10日に開校式が実施される予定です。

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