肝付町高山地区で約900年続いている高山流鏑馬は、中学2年生の少年が射手を務める伝統神事です。
選ばれた少年は1か月半ほど訓練を受けて10月第3日曜日の本番に臨みます。そんな高山流鏑馬の射手がこのほど肝付町立高山中学2年の吉永昊志朗(こうしろう・14)くんに決定し、8月8日に高山流鏑馬保存会のメンバーが正式依頼のため肝付町前田の射手宅を訪れました。
昊志朗くんは高校生の姉との2人姉弟で学校では陸上部に所属するスポーツ少年。小学生の時にあった流鏑馬学習で馬に乗せてもらった写真が新聞に取り上げられたことで射手への憧れを抱きました。
ところが落馬の様子など厳しい訓練を間近で見たこともあり、一時の憧れは次第に薄れていったそうです。
左から今年度から保存会の会長となった有馬大作会長・射手の昊志朗くん・父親の真樹さん
そんな昊志朗くんが再び射手を志すことになったは今年1月に亡くなった祖母との約束を果たすため。「射手になって晴れ姿を見せる」と流鏑馬の大ファンだった祖母と最後に話したことがきっかけとなりました。
「天国からきっと見てくれていると思います。目標の籠矢(こもりや)を決めて祖母を喜ばせたいです」と気合十分の昊志朗くん。
父親の真樹さんは「子どものため、そして町のために全力でサポートしていきます」と話してくれました。
昊志朗くんの流鏑馬は9月5日、旧国鉄線で行われる初練習からスタートします。
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