肝付町高山地区で約900年続いている高山流鏑馬は、毎年中学2年生の少年が射手を務め、四十九所神社に奉納する伝統神事です。
そんな鏑馬の射手がこのほど決定し、高山流鏑馬保存会のメンバーが8月4日に射手宅を訪れ、正式依頼を行いました。
今年の射手は高山中2年の中村考晴くん。陸上部に所属する14歳の少年です。
左から保存会の有馬会長、射手の考晴くん、父親の洋史さん
学校ではムードメーカー的な存在だという考晴くんは、今年の後射手で昨年射手を務めた吉永昊志朗くんと同じ陸上部に所属。2人とも短距離が専門ということもあって普段からとても仲が良いのだそうです。そんな昊志朗くんの晴れ姿を見たことが射手を目指すきっかけとなりました。
「身近な存在の先輩の姿を見て刺激を受け、自分も射手を務めてみたいと思うようになりました」。
ところが射手に立候補したいと両親に申し出ても二つ返事をもらえませんでした。それでも射手への憧れはおさまることなく、YouTubeなどの動画配信サイトで過去の流鏑馬をチェックする毎日だったそうです。
射手をやりたいという強い気持ちを持ち続けた結果、両親からの許可がおりました。父親の洋史さんは「息子が自分から何かをやりたいと言ったのは初めてのことです。そんな強い思いを持っているのですから親としても応援しないわけにはいきません」と話します。
正式依頼では保存会の有馬大作会長が「射手の役目をぜひお引き受けください」と切り出し、父親の洋史さんが「謹んでお受けいたします」と返事をしました。
射手に指名された考晴くんは「先輩が昨年7本だったので、本番は8本の命中を目指します」と意気込みました。
考晴くんの流鏑馬は9月1日、旧国鉄線跡で行われる初練習から始まります。
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