毎年中学2年生の少年が射手を務め、四十九所神社に奉納する肝付町高山地区の高山流鏑馬。約900年続いている伝統神事の射手に武田創(はじめ)くんが選ばれ、8月16日に流鏑馬保存会のメンバーが射手宅を訪れ、正式依頼を行いました。
創くんは高山中学校の2年生で、空手部に所属する13歳の少年です。創くんの父親、裕史さんは肝付町とJAが始めた農業研修制度を利用して平成20年に妻の純子さんと群馬県から移住し、現在はピーマンをメインに農業の経営者として奮闘しています。
移住後、2人の間に誕生した創くんは、自ら空手を習いたいと打ち込むようになり、自宅で自主練習をするなど目標に向かってひたむきに取り組む少年に成長しました。
その努力が実を結び競技大会では優秀な成績を残しています。また高山流鏑馬に触れる機会も多く、伝統神事の重要性を理解していると言います。
そんな創くんが射手候補に指名されたのは、保存会の有馬会長と裕史さんが知り合いだったということもありました。
始めは空手との両立が難しいのではと判断し、申し出を断った創くん。しかし再度連絡があった事で、「誰も引き受けなければ伝統が途切れてしまう。高山流鏑馬の伝統をつなげたい」と、気持ちを改めたのだそうです。
覚悟を決めた創くんの思いを大切にしたいと裕史さん、純子さんの両親は「決まったからには全力でサポートします」と話し、創くんは「馬との信頼関係を築き、練習で積み重ねたものを本番で出し切りたいです」と決意を表明しました。
創くんの流鏑馬は9月1日、旧国鉄線跡で行われる初練習から始まります。
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