先日の日曜日(9月9日)、午前8時前。町役場の近くにある四十九所神社の前に人々が集まり始めました(ビデオレポートはこちらです)。
馬場づくりに参加する人たちです。流鏑馬保存会のメンバーや神社の総代、そして振興会(=町内会)の人たち、射手の親戚などです。
この馬場づくり。やぶさめの本番が行われる神社の前の参道(宮之馬場)を整備して、本番に近い状態で練習ができるようにするものです。
これにはたくさんの仕事があります。
まずは、参道の脇、溝のある側にきちんと距離を測りながら鉄の棒で地面に穴をあけていきます。そしてその穴に木の枝(シバ)を差し込んでいきます。
また神社に近いところでは、馬があやまって溝に落ちないように(飛び込まないように)するための柵づくりも行われます。
神社の裏山から運び込まれた大きな孟宗竹を真っ二つに割った後、木の杭を挟むように両側から取りつけ、その間に木の枝を差し込んでいきます。
保存会の人から聞いた話では、やぶさめの本番中に馬が実際にこの柵を越えてしまい、射手が溝に落ちてしまうという「事件」が数年前に起きたのだそうです。幸い、そのときは射手にケガがなく、本番はとどこおりなく行われたとのことですが、同じことが起きてはいけませんので、念入りに作業が行われます。
ちなみに、この柵は馬が走りだす地点、つまり出発点にあり、一方、馬が止まる地点、終着点にも走ってきた馬を止めるための馬どめがつくられます。同じようにして竹の間に木の枝をはさんでつくっていきます。
作業はほかにもあります。
高山のやぶさめの場合、射手は1回の走りで3本の矢を放ちます。それを3回繰り返して合計9本の矢を放ちます。ちなみに、的に当たった矢の数によって翌年の作柄を占う習わしとなっています。
さて、その矢を受けるのが的ですが、的の後ろには人家や竹やぶなどがありますので、へたをすると外れた矢がどこかとんでもないところに飛んでいってしまうことが考えられます。
そのため的の背後には矢どめと呼ばれるネットのようなものが設置されます。その設置もこの日の馬場づくりでは行われました。
さらにやぶさめ祭で欠かせないのが沿道に立てられるのぼりです。神社に保管されているのぼりを竹の棒につけて、馬場の馬が走らない側に立てられていきます。
この日の作業では、射手のクラブの仲間など中学生も大活躍。文字通り、老若男女が力を合わせて、すっかり本番に近い環境が整えられていったのでした。
これからの練習は神社前のこの馬場で行われることになります。
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