馬場づくりが終わった四十九所神社前の参道、宮之馬場で午後4時過ぎから、この場所での初めての練習が始まりました(注:ビデオは本文の最後にあります)。
午前中の作業で環境が整い、馬場は本番とほぼ同じ状態です。
射手の益山麗斗君は「まだ1回も走ったことがないのでちょっと緊張します」といって、その表情にはちょっぴり硬さがうかがえます。
でも、そういう緊張感はこれまでに何度も経験してきたことです。まわりに控えるたくさんのサポーターの支えを受けながら、今日も練習が始まります。
まずは馬場ならしから。馬場の状態を確認するためにゆっくり歩いていきます。
状態はまずまずのようです。
この日乗る新馬のはやぶさとの呼吸もうまく合っているようです。
馬場ならしから戻ってきてしばらくして「走り」の合図が出ました。
最初の走りです。
パカ、パカという馬の走る音と麗斗君の掛け声が近づいてきます。
練習前、「今日は手放しの練習をします」といっていたとおり、見事に両手を放しています。安定した走りです。どことなく自信をもって走っているように見受けられます。
次の2度目の走りもまずまずです。途中、馬がバランスを崩してちょっとだけはっとする瞬間がありましたが、すぐに態勢を戻し、大事には至りませんでした。
練習を終えた麗斗君に話を聞くと、この日の練習には彼自身も満足した様子。もちろん、完璧ということではありません。「手放しの形がうまくできなかった」というとおり、改善すべき点はあるものの、初めての手放しは十分合格点の出せるものだったのではないでしょうか。
麗斗君の祖父で流鏑馬保存会の会長でもある益山瞬一さんも「初日としては最高でした」と、麗斗君のこの日の走りについては満足している様子でした。また、「いつも心配でたまらない」という母親の和代さんもこの日は安心して見ていられたようです。
とはいえ、会長の瞬一さんがいうとおり、馬場での練習はまだ始まったばかり。これから手放しの技を磨いていって、弓を持ち、さらには矢を射る練習など、段階的に高度なレベルに上っていくことになります。
これからどのようにして麗斗君がそうした課題をクリアしていくのか。今後も「きもつきレポート」では、「やぶさめロード」で引き続き、やぶさめ本番に向けた動きをお伝えしていきます。
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