肝付町高山麓にある日高家で5月18日、第1回「肝付歴史茶話会」が開かれました。日高家の武家門修復プロジェクトに尽力した古瀬徹さんとマルさん(旧姓:日高)夫妻の呼びかけで開催されたものです(後援:きもつき情報局)。
屋敷側から見た武家門(向こうに見えるのは高山小学校)
第1回目の今回は肝付町文化財保護審議会会長の海ケ倉嘉通(かいがくら よしかず)さんを講師に招き、町文化財保護審議会会員で道隆寺跡の整備に尽力している福谷平(ふくたに たいら)さんや平田靱負の末裔の平田好二さんをはじめとする町内外の歴史愛好家9名が参加しました。
会の冒頭ではきもつき情報局が制作した日高家武家門修復プロジェクトの記録動画をプロジェクターで上映、動画を見ながら古瀬徹さんがプロジェクトの詳しい経緯などについて説明しました。
映像を見ながら解説する古瀬徹さん
その後、海ケ倉さんが「肝付町の文化財:現状と課題」と題して、西横間で新たに古墳が発見されて鉄の刀や矢じり、人骨の一部などが出てきたことややぶさめの里総合公園周辺の道路拡幅工事にともなって発掘調査が行われること、肝付氏の墓が残る盛光寺跡の整備の状況などについて解説しました。
町内の文化財の現状などについて話す海ケ倉さん
さらに、参加者との質疑応答のなかで、肝付氏の城下町であった高山地区にはかつて多くの武家門があり、今も数多く残る「○○馬場」という地名は武家屋敷群の名残であることなどが説明されました。
続いて、奥さんの実家のある高山地区に移り住み、地域の歴史を研究している平田さんからは、肝付町を代表する郷土史家、竹之井敏さんとともに研究した成果が披露され、肝付氏の系図に重要な手がかりとなる記録が見つかったことや「日向の海」で日宋交易が行われていたこと、1283年の記録にやぶさめの記載があることなどが報告されました。
積極的に話し合う参加者
主催した古瀬マルさんは「ふるさとを離れたからこそ、ふるさとの良さが見えてきたのではないかと思います」と語り、ふるさとの歴史を学び直すことの意義を強調するとともに、今後も継続的にこの会を続けていきたいとの希望を明らかにしました。
同会は夏場や年末年始を除いた月1回の開催を目指し、次回は6月15日を予定しています。
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