今年(2018年)1月、肝付町高山地区の中心部にある四十九所神社の授与所に縁起物として「当的(あたりまと)」が登場した。
手書きの筆文字が美しい「当的」
ただの板でつくったものではない。昨年10月に同社で奉納された流鏑馬で、実際に矢が当たった「当的」を加工してつくった「本物」だ。射手の名前などが筆で書かれている。的の製作は流鏑馬の矢づくりを担当する中村孝美さんが担当した。
2017年10月15日に奉納された流鏑馬
神社へ運ばれる的
今回準備されたのは45本。なかには矢が当たった跡が確認できる的もある。
製作のきっかけは、社殿の建て替え計画が持ち上がったことだ。現社殿は、昭和46年(1971年)に焼失した後に再建されたものだが、老朽化が進んでいる。
参拝客が訪れる四十九所神社の拝殿
氏子を中心に建て替えの寄付金を募るが、必要となる経費は最低でも3000万円ほど。「できれば、参拝しやすいよう歩道(スロープ)なども整備したい」と関係者は話す。
この寄付金集めの手段のひとつとして「当的」は製作された。的の初穂料(1本5000円)は、建て替え資金となる。
的を持つ巫女は地域おこし協力隊と緑のふるさと協力隊メンバー!
拝殿建て替えに先駆けて昨年12月には本殿のお色直しが完了し、これを記念して、白一色の本殿がと1月1日から7日の夜間、ライトアップされた。
照らされて白く浮かび上がる本殿
かつて大隅の中心勢力であった肝付氏の始祖・伴兼行によって勧進建立され、およそ900年の歴史をもつ四十九所神社。伝統神事である流鏑馬にちなんだ縁起物はご利益がありそうだ。
■当的・寄付金についての問合せ先:
四十九所神社社務所 ☎0994(65)2938
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